第3話 ガチャゲー
シュウ『ノワモワって今から始めても楽しめる感じ??』
ユージ『ノワモワやる気なのかい?』
『紹介コード送ろうか?』
シュウ『いいや、なんかコードはアキに頼まれて入れてしまった』
ユージ『アキって片桐さんのこと?』
シュウ『そうそう、片桐 玲』
ユージ『シュウって片桐さんと仲いいよね? なんか意外』
シュウ『別に仲良くはないと思う。それよりノワモワどうよ??』
ユージ『今からでも追いつけるし楽しめると思うよ』
『やるんだったらフレンドなろう?』
シュウ『OK!』
『はじめたらまた連絡する』
オレは帰宅後、クラスメイトの「ユージ」こと「
オレは結局ノワモワを始めようとしていた。もっとも最初だけやって続かなかったゲームもたくさんあるので今回もどうなるかわからない。ただ、なんとなくあのゲームのコンシェルジュ「クロエ」を見てからアンインストールするのに抵抗ができてしまった。
ゲーム自体は好きで、据え置き型のゲーム機も最新のものが家には揃っている。スマホのゲームアプリもいくつか手を付けたことがある。ただ、いわゆる「ガチャゲー」は続かなかった。
一度始めるとやり込むタイプで、キャラクターの育成とかは好きだった。ただ、ガチャゲーはどれだけ時間をかけて丹念に育てたキャラクターでも、その時の運かお金の力によって手に入れた強キャラクターに勝つことができなかった。そこに虚しさを感じてからはスマホでゲームをしなくなっていった。
まずは「ノワール・グリモワール」がどういったゲームなのかをインターネットで調べた。運営の公式サイトから個人が作成した攻略サイト含めてかなり多くの情報が出てきた。
ゲームの舞台は、「エルガイア」、剣や魔法が登場するファンタジー世界。かつて栄えた魔導王国「ヴァレンシア」が一晩にして廃墟と化したところから物語は始まる。ヴァレンシア王国の滅亡に関わった魔導書が廃墟のどこかに存在しているらしく、それを巡って様々な勢力が争う設定だ。
主人公(オレの場合、「クロエ」と名付けた人物)は、ヴァレンシア王国の歴史書に記された英雄を実体として呼び出すことができる能力をもっている。その力を使って魔導書を求めながら、王国滅亡の謎に迫っていく、というストーリーだ。
ゲーム内のガチャは、歴史書に記された英雄を呼び出している設定らしく、それゆえに本から登場する演出になっているわけだ。
ガチャのキャラクターはBランクが最低で、A、S、SSとあり、SSが最高のランクだ。ガチャの演出の際、画面の魔導書が金色をしているとSかSSランクのキャラクターが必ず排出される仕様だ。
こういった仕様は、以前に少しかじっただけのゲームでも基本的に似たような感じだったと記憶している。最初からSSランクを引き当てたのは、ビギナーズラックみたいなものだろうか?
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