【第二回】 マキナプロトコル

 今回は豆坂田 様の「マキナプロトコル」をレビューします。


 作品はこちらです↓


 https://kakuyomu.jp/works/16817330657857775758



 私のレビューの書き方ですが、第一回のような感じで続けていっても大丈夫でしょうか? 「こうしてほしい」というのがありましたらコメントしてください。



 それでは、読んでいきましょう! よろしくお願いします!



 ***



 タイトルですが、どういう意味があるのかなと気になったので、ネット検索しました。んー、それでもよくわかりませんでした。とりあえず、一般的な単語ではない、もしくは造語であることは間違いなさそうです。


 ジャンルはSFということで、緻密な設定が設けられていそうです。これをどのように馴染ませていくかがポイントでしょうか。


 紹介文は簡単なあらすじですね。タイトルではわからなかった、物語の方向性がここでわかってきました。


 皆さん、作品のタイトルはどのように考えていますか? 最近はよく、長々と説明文みたいなタイトルを見かけます。主に読者の目を引くことが目的だと思うのですが、個人的には短いタイトルでバン、とわかる方がかっこいいと思うんですよね。

 もちろん、長いタイトルにする方が面白くなることもあるんですけど、難しいところですね。


 今回レビューする作品は固有名詞がタイトルになっていると思うので、このマキナプロトコルがどれほど重要なものなのかも気になるポイントです。


 タイトルで分かりづらくても、キャッチコピーなどで補ってくれているので、私は良いと思いました。


 タグには、ポストアポカリプスとあります。世界の終末に関わるお話ですね。



 ***



【一話目】第1話 プロローグ(1)


 いきなりシリアス展開。少女の命が危ないということがよくわかる描写で、イメージしやすいです。「両手で持ち上げ」とありますが、どの高さまでなのかを入れると良いかもしれません。そんなわけないと思いますが、バーベルのように頭の上まで持ち上げたともとれる文ですので……私だけかな?


 場面が変わり、初の名前がわかる人物が登場しました。この物語は三人称視点で進んでいくようですね。円柱状の生活スペース。なかなか珍しい形をしています。

 どんな建物であるかが容易に想像できます。


 レオは今何階にいるのでしょうか。「柵のような場所」というところから、二階よりは上にいそうだなと思いましたが、合ってるかな?


 

 「スライドをガチャガチャやって」大穴に落ちるシーン。やはり、レオがいるのは建物の上の方ということですね。ここの表現がイメージしづらい読者もいるのかな? と思いました。中央の空間に柵があることをしっかりと抑えると良いかもしれません。



 大穴はゴミ捨て場としての役割もあるんでしょうか笑

 今のところレオは気力のない人物として描かれていますね。

 「横目見ながら」とありますが、“横目に”か“横目で”かで意味合いが変わるので、“に” か “で”、適切な方を入れるべきだと思います。



 この廃ビルに住んでいる人は社会的地位が低いということがわかります。レオがこの場所で暮らす理由とは……


 スラムの描写がわかりやすいですね。「小屋と小屋の間に~」は洗濯物のことですよね? そうだと言われなくてもイメージできる良い表現だと思います。


 廃ビルでの生活も周りのスラムに比べればまだ贅沢な方であると。ここまでスッと入ってきて読みやすいです。



 早朝に聞こえる叫び声、スラムならではというか、治安の悪さが表れていますね。



 レオはもともと、どこに向かっていたのでしょうか。レオの行き先にもよりますが、これまでのレオの描写から、周りに対してあまり興味がなさそうな印象を受けました。

 サイレンが鳴った現場を見に行くシーンで、もっと異常事態であることを強調すると、寄り道してまで覗きに行くことの必要性に疑問を持つことはなくなるのではないでしょうか。


 「レオはすぐ原因に行きつく」とありますが、どこを見て男が盗みを働いたことがわかったかが知りたいです。警察官の話を聞いていたのか、または盗んだものが近くに落ちていたのか。ただ、後者は現場にはないようなので、やはり、レオは推測だけで原因にたどり着いたということでしょうか。

 「スラム盗品はない」の部分は「スラム盗品はない」の脱字ですかね。

 また、「男はスラムではないどこかで~警察も話が変わってくる」までひと繋ぎの文になっているので、何か所か読点を句点に変えると良いと思います。


 「鼻をつねるような異臭はするが不快感は覚えない」。レオ臭いの耐性強い!笑

 これはレオが長年この場所で生活してきたから慣れてしまったということでしょうか。



 レオはスラムから少し離れた集合住宅に向かっていたんですね。



 ***



 再び皆さんに質問です。記号の使い方やルールってありますよね。三点リーダーやダッシュは偶数個使うとか、文中の感嘆符、疑問符の後1マス開けるとか。これらは絶対に守らなければならないわけではなく、表現の幅として、慣例通りに記号を使わない作家さんもいらっしゃるようです。個人的には、“どうしてもそうしなければならないところ”を除いては、暗黙の了解に従った方が無難かなと思います。

 もちろん、こだわりがあっての表現であれば、全く問題ないかなとも思いますが、どうなんでしょうかね。



 ***



 レオと少女、この二人は冒頭の二人なのかな? と勘繰ってみたり……

 「意味のなく手を振って~」とありますが、意味なくが適切かと思います。


 「レオの流れるように座る」は、レオ流れるように~が適切ですね。



 ここで世界観の説明ですね。神に立ち向かう人間。こういった人間の可能性と愚かさを描いたストーリーは個人的に好きです。

 レオの生き方について、やはり面倒ごとには関わりたくないような姿勢がうかがえますので、男が警察に殺害された現場を見に行く動機がもう少し欲しいなと思いました。



 レオはクレプトとして稼いではいるものの、お金の節約のために廃ビルに住んでいたんですね。流れ的にはダンジョン攻略みたいなものですかね。そこに神という存在がどう絡んでくるのか、楽しみですね。



 「クレプトの意見を連合もそう無視は出来なはずだ」、“い”が抜けています。



 レオの目標は「てっぺんに立つ」ことだと会話の中で言っていましたが、その後「ミレトスで一番のクレプトになる」ことが目標だと言っているので、二回目の「目標」という言葉を別の言葉に置き換える方が自然な気がします。おそらく、「ミレトスで一番のクレプトになる」ことは「てっぺんに立つ」ための通過点に過ぎないということですよね?



 都市の、スラムの扱いがひどいですね……、闇を感じます。


 「どちらに?とってもメリットがある」について、誰と誰にとってのメリットでしょうか。片方は都市にとって「生物をに撃退することが出来る」だと思うのですが、もう片方はスラムにとって「増えすぎる人口を減らす」ことだという解釈で合ってるかな……? 



 どうやら「生物達」は普通の生き物ではなく、モンスターといった感じのようですね。これが「神々の使徒――アバター」なのでしょうか。

 サラは東の地域に住んでいるということがわかりましたね。ミレトスの地理も頭の中で整理できてきました。



 レオの動機付け、サラに海を見せること。シンプルですが、この街ならではかつ、かわいらしい夢で印象に残りやすいと思います。


 「飲まれないように気をつけろよ?」の後、「サラがサラが~」と主語が重複しています。



 専門用語が多く出てきましたね。ちょっと説明が多いかなという気がしましたが、細かい設定が好きな読者には適量なのかな?




【二話目】第2話 プロローグ(2)


 施設はポイント制を採用しているんですね。現実と似ていてなんだか親近感がわきます。


 使用者登録の説明の文ですが、「また、強力な~」の後に「またクレプトでも~」と同じ接続語が続いているので、ほかの言葉に変えた方が良いと思います。


 説明文が長いですが、内容はとてもわかりやすく、頭には入ってきやすいです。議会連合の権力的な強さもたびたび表現されていて、絶対的な存在であることの意識づけとしてうまくいっているなと感じました。


 受付の女性の発言こわっ!

 この女性の見た目がかわいいとかの描写があれば、ギャップ萌えでファンが付きそうですね笑


 

 場面変わって、ロンディウムに向かうところ。

 「レオは本来~」の一文で、最後に再び「レオは選択した」とあるので、二回目の「レオは」は書かなくても良いと思います。


 自動運転のバス! タグにもありましたが、近未来感が出ていていいですね。


 ロンディウムもだいぶ廃れた街なのでしょうか。不気味な雰囲気が伝わってきます。

 「中央付近の危険性がは高く」のところ、“が”は余分ですね。



 「修道服を土のついた手でを引っ張られ」、この部分も“を”が余分です。

 「土のついた手」というのは子供のわんぱくっぷりがわかる素敵な表現ですね。


 「恨めしさすら感じる」。サラさん、よほど疲れているようで……

 子供たちのことが嫌いなのかな? と少し心配になりました。


 

 「サラはクレアをのぞ込みながら」は“覗き込みながら”ですかね。


 サラは心の中で毒を吐くタイプなんですね。それとも、この教会のことを気に入っていないという表現でしょうか。いつか爆発しそうだな……



 レオと蜘蛛型生物の戦闘ですね。蜘蛛型生物の俊敏性が上手く表現されていると思います。

 そしてレオはまだ子供だったんですね。子供といってもどれくらいかわからないのですが、ここまで読んだ感じ17~19歳くらいだと思ってました。「成長しきっていない」とあるので小中学生くらいの年齢でしょうか。子供でもクレプトになってお金を稼げるというのは少し違和感がありますね。


 「SIG496を走りながら~非常に辛く、疲れるもだった」は“疲れるものだった”ですかね。


 「以前レオの弾は当たらぬまま~」は“依然”の変換ミスですね。


 胴体に弾が命中し、住宅が血塗られるシーンですが、蜘蛛の気持ち悪さを表すのにぴったりの表現ですね。虫は現実世界でも簡単に絶命するような生き物ではないので、このリアルさが緊張感を増していると思います。


 やはりなかなか倒れない蜘蛛型生物。レオが腕で液体を防ぐところからの流れるような展開が素晴らしいです。どうなるんだ? と先へ先へ進みたくなります。


「銃口を向けるよりも前に前に蜘蛛型生物に~」、“前に”が重複していますね。


 蜘蛛型生物の攻撃を難なく回避するレオ、その運動神経の良さをさらに輝かせているのは眼の良さなんですね。レオの特殊能力が少しわかってきました。



 蜘蛛型生物の描写が丁寧ですね。せっかくなら大きさや見た目についても詳しく書いてほしかったなと思いました。レオより大きいのか小さいのか。私は2,3メートルぐらいかなと勝手にイメージしてますが、どうなのでしょうか。毛とかも生えてそうですよね。



 ハーモンド、まじか……本当に気持ち悪い人でしたね。サラは正しかった……

 誤解を恐れずに言いますが、作者様は“リアルなキモさ・グロさ”の描写がずば抜けていますね。読者に“この人(生き物)嫌だなあ”と思わせる表現が素晴らしいです。なんか映像や音声が自然と頭の中で再生されます。個人的に好みです。



 蜘蛛型生物に食べられた人がいたんですね。結構でかそうだな……


 

 今回のエピソード、かなり長かったですね。半分ぐらいの長さにわけても良いのではと思いました。



 私のレビューも長くなってしまったので、後半へ続くということで一度区切ります。



 前半はここまでです! ありがとうございました!

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