アータヴァカ/関口 陽(ひなた) (6)
口の中にマウスピースを入れ、防毒・防塵マスクに、宇宙飛行士がヘルメットの下に付けるような帽子と、ゴーグル型のヘッド・マウント・ディスプレイを被り、ヘルメットを着装。
「制御AI起動。着装者『
ヘッド・マウント・ディスプレイに電源が入り……起動チェックの結果らしい文字が次々と表示され……。
「『護国軍鬼4号鬼』制御AI起動。着装者『
人間でいう「耳」に当たる場所に有る聴覚センサも正常に機能してるようで、相棒の声が聞こえる。
『無線通信チェック。聞こえますか?』
「聞こえます」
『動作確認。2人とも動いて下さい』
「
やがて、動きは滑らかになり、格闘系・近接戦闘系の「得意技」を放とうとすると、自動的に、その技のスピードや威力を上げてくれるようになる……らしい。
と言っても、人間からすると「腕前が上がった」場合、制御AIにとっては単に「動きのパターンが変った」事になるので、念の為、出撃前には「先読み」と呼ばれる「着装者の次の動きを予測する機能」が正常に働いているかをチェックしている。
「2人とも『先読み』成功率九五%以上。出撃しても問題ありません」
「あたしのバッテリーは足りるかな?」
「
「念の為、急速充電用のケーブルを持っていく。いざとなったら、私の『護国軍鬼』から補充する」
相棒の「護国軍鬼」は……多分、知られている限り、世界で唯一の「神様系」の力と「科学技術」が合さった存在だ。
パワーはバカデカい……早い話が、「エネルギー切れ」は事実上起こり得ず、最大稼働時間≒「重要な部品か中の人間がブッ壊れるまで」だ。
ただし、エネルギー源が量産困難なのと……「起動中は、着装者の『霊感』が、ほぼ
まぁ、その無茶苦茶な「鎧」の無茶苦茶なエネルギーの、ほんの一部だけで、あたしの「
「さて……昨日以上にハードな日になりそうだな……」
「そうでもない。警察署1つと……最悪でも警察病院を1つ壊滅させるだけだ。大変なのは……後始末だが、私達の仕事じゃない」
『少しは、こっちの事も考えてくれ』
後方支援チームの中でも、最古参の権藤さんのボヤキ声が聞こえてきた。
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