真面目な人間と不真面目な人間の関係というのは、創作の王道といってもよいくらい多く描かれていますが、百合においてもまた鉄板の組み合わせだと思います。私が個人的にその組み合わせが好きということを抜きにしても、この作品は二人の会話劇がとにかく魅力的な作品となっております。
生徒会長の立場から不真面目な先生に注意しなければならないという義務感。しかし、先生のことが大好きでついつい言動に本音が含まれてしまうくらいの相反する気持ち。真面目な生徒会長の菫さんのデレのあふれるツンデレがとても可愛らしく、読んでいて思わず頬が緩んでしまうこと請け合いです。
また、誰にも見られることのない学園の隅っこで、あおい先生が菫さんに色々な悪いこと(コンビニアイスを食べるような可愛いことなのですが)を教えるという関係性も素敵で、まるでずっと読んでいたい、そんな気持ちにさせてもらえるような、あたたかい作品でした。
(カクヨム公式自主企画「百合小説」/文=カクヨム運営スタッフY)