【BL】ひと夏の思い出
樺純
第1話
あの夏…俺は初めて夢中で恋をした…。
7月24日
連日の猛暑が続く中…
田舎に住むじいちゃんが倒れたと連絡があった。
共働きで仕事を休むことの出来なかった両親に代わり、高校最後の夏休みを楽しんでいた俺がじいちゃんの家にしばらく行くことになった。
8月1日
*「じいちゃん!!倒れたんだろ?寝てろよ!」
退院の日、病院に迎えに行ってそのままじいちゃんの家に帰ったものの…
じいちゃんは安静にするどころか高校野球を見て楽しんでいる。
祖父「夏は高校野球を見ないと始まらないからな!!隼人…お前も野球やってたら今頃甲子園に…」
「その話1000回目だから!!また、倒れても俺知らないよ?」
なんだかんだで元気そうで安心した。
俺はそんなじいちゃんを横目に入院中、空気が滞っていた部屋中の窓を開けていく。
何回、来ても思うのは…ど田舎だな…って。
周りに山と畑しかないほんとにのどかという言葉がピッタリなど田舎。
俺が縁側の雨戸を開けると、そこには俺と同世代の麦わら帽子をかぶった男の人が庭に立っていて…
爽やかな風ともに優しい花の香りがしたような気がした。
※「こ…こんにちは……」
その人は俺を見て驚いた顔をしている。
その顔はクルッとした大きな目に綺麗な鼻筋…
そして、小さな口をポカンと開けていた。
「こ…んにちは……」
祖父「おぅ〜歩夢。上がれ上がれ!そいつはワシの孫の隼人だよ!ワシの面倒を見るのに1か月ほどこっちにいるから仲良くしてやってくれ!」
※「あ!そうなんだね!初めまして…じゃないかな?歩夢です!よろしくね。」
そうニコッと微笑んだ歩夢さんの笑顔を見て…
俺の心臓が早く動き始めるのが分かった。
初めまして…じゃないの?そう不思議に思いながら俺はなんとか口を開く。
「…よろしくお願いします…」
それが俺と歩夢の出逢い。
つづく
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます