第134話 ジンクスが破壊された日

 2023年11月5日。日曜日の夜。

 日本ワールドシリーズ第7戦。

 世の中のジンクスが、この日、破壊された。

 同時に、たくさんの呪いが消滅したのだ。


ハドリの呪い ~ 4戦でサヨナラ返し!

サヨナラ返しに本塁打は要らぬ。ランナー3人、いればいいのよ!

スタンカの呪い ~ 7戦でやり返した!

OK, I will pitch! は、OK, We will pitch! で。それは時代やね。

さすが今時、備前大投手には連投なんか、させられんでしょうが。

腐れ縁の呪い ~ 勝てば官軍。1戦目で殲滅! 7戦目で封印。

腐れ縁とは、1950年の引き抜き以来行き来の多い千葉の球団。

甲子園優勝決定の呪い ~ これこそが、最大の呪い。でも封印!

バンビーノの呪い ~ そんなもん、あるわけない~わっはっは!


本拠地リーグ優勝決定後、シリーズは敗退。

~ これは、確実に破壊されたぞ。やったぜ。

 前回日本一のときは、神宮球場でビジターね。

しかも、本拠地の巨人戦なんて、とんでもないぞ。

~ それも、しっかり破壊されました。いやマジで。

 そうです。中村鋭一さんの六甲おろし前の実況通り。

 さすがに、満塁サヨナラ本塁打とはいかなんだけどな。

 それならむしろ、危なげない勝ち方だったっけ。お~ん。


元巨人監督のおじいさんや、名遊撃手だった背の低いおじさん、

あの燃えるおじさんでも、ましてやあのクールな大監督でも、

それはできなかった。大監督にはサジまで投げられたぜよ。

ド迫力のある背の低いおじさんも、甲子園は無理でした。


これは、生まれつきの阪神ファンで大選手だった、

あの人でないと、破れないジンクスだったのだ。

そらそうよ。お~ん。

 世の中には、そうでなければできないこともある。

 そのことを知らしめられた、記念すべき日。


でもまだ、甲子園で日本一を決められていない。

 このジンクスも、いずれ破られるであろう。

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