第89話 胸上でキーボードをたたく音

 2023年9月14日未明


 私は一度起きだして2時間程度仕事し、2時30分頃、もう一度エビス缶ビール350ミリを1本だけ飲み、電気を消し、パソコンを閉じ、再び、横になった。

 この時間から寝なおすとそれほど深い眠りにならないのだが、この日は、約1時間少々、ぐっすりと寝られた。

 しばらくして目覚めたが、特に起き上がらず、横になっていた。

 突如、何やら音がし始めた。自分の胸の少し上のあたりから。


カチャカチャカチャカチャ カチャカチャ カチャカチャカチャカチャ


 その音は、数秒続いた。

 何やら、あおむけになっている胸のあたりで、パソコンのキーボードを打っているような音。パソコンの本体ではなく、今こうして使っているキーボードを打っているのと同じような音でした。

 他のキーボードではなく、あくまでもこのキーボードの音でしたね。

 特に静音詩用じゃないが、小型で薄型なキーボードです。使い出は、いいよ。

 ともあれその音、数秒後に確かに、止まった。

 そしてその後、再び鳴ることはなかった。


 その音が聞こえているその間、別に自分自身が手を下している感覚はなかったのだが、どうも、自分自身がキーボードを打っているような、そんな感覚を得ていたのである。矛盾した表現であることは重々承知だが、そんな感覚だった。


 あれはいったい、何だったのだろうか?


 ただ、ひとつ思うところは、あった。

 ともかくも、パソコンを使って仕事し、何か仕事を始めること。

 そんなことを意識させられましてね。

 ならば、これで何か事業でも起こさないといけないな。

 その意思が、夜が明けた今、ますます強くなっています。

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