第88話 田を作るより詩を作れ

詩を作るより田を作れ


 わかった口の代名詞のようなものだな。

 そういうことを述べる低能は、大きく勘違いしておる。

 ま、そういう勘違いは、低能の低能たるゆえんではあるがな。


 詩というものは、ひとつかそこら作れば終り、ちゃうで。

 どんどん作っていって、初めて、「詩」となる。

 一つ一つの詩がまとまって、その人を作り上げる。

 そこに思いが至らんのが、低能の浅はかさってものよ。


 これは詩に限った話じゃない。

 小説でも論説でもエッセイでもなんでも一緒や。

 ひと作品でも多く書いていった者の勝ち。

 書けば書くほど、無形の財産が増えるわけである。

 これは有形になるけど、動画なんかも、詩のうちに入れていい。

 この駄文の定義に従うならば。


 田んぼをつくるのは結構な話だが、

 あれこそ実は、堅実に見えてギャンブル。

 自然災害や経済情勢に影響を受けるからな。

 それに、莫大な投資もいるでしょうが。


 そこに来て、書く仕事は、そういうものはない。

 投資と言ってもせいぜい、パソコンと周辺機器くらい。

 特に最新のウン十万のものなんか要らないよ。

 何なら、ノートとペンだけでもええわけだぜ。

 ただ、手書きでは今どき相手にされん。問答無用で破棄。

 もちろんそれは、下書など不要ということを意味しない。

~ 低能共が沸かぬための措置を施しておいたぞ。

 まあでも、パソコンなら、数万も出せばかなりそろうぞ。

 それでひたすら、書いていくのみ。

 音楽や写真ほども、ハードディスクの容量は取らない。

 保存も、さほど場所食わないからね。

 でもそれが、まとまっていくにつれ大きな財産になっていく。


 実はな、詩を作っていくということは、

 田んぼを耕しているのと同じことなのよ。

 ある意味、植物を育てているのとも同じこと。

 そのことは、わしのこの作品群で証明されている。


 田をつくるのは莫大な投資と労力がいるが、

 詩を作ることは、投資もいらず労力もさほどではない。

 無形の不動産を、どんどん買いまくって、というか、

 書きまくっているようなものなのです。


 で、書いただけでは確かにさほど儲からんかもしれんが、

 当たれば、やっぱり大きいですね。

 固定資産税もかからないのは、魅力です。

 しかも頂上なことに、今時のこと、

 こうしてネットで作った分出していけば、人に読んでもらえる。

 それがまた日がたつにつれ成長していく要素も持っておる。

 改訂版を作るくらい、わけないからな。


 不動産の仕事もいいけど、

 詩を書く仕事も、悪くないでしょうが。

 ちょっと、低能共の心得違いを叩きのめしてやったまで。


田をつくるより詩を作れ

 実は今どき、そういう世の中ではないかな。

 

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