第66話 ダムロンと移動

 ギルドで、ダンドラの世話をしてくれる情報を入手、宿でも食事やブラッシングなどはやってもらえるが、外を走り回るなどはやってくれない。


 ポチと離れるのは寂しいけど、これから向かうところは、魔獣の領域、一緒に連れていけない。


 都市バッタンバンでポチを預け、パトンタニ大森林の近くまで歩いていくというのも、無理がある、そこで、パトンタニ大森林近くの村(パンプウ)まで、一緒に冒険者に来てもらい、ポチを連れて帰ってもらう事にした、村で預かってもらうというのも、無理がある。


 ギルドの受付前のテーブルにて、依頼書を書いている、テーブルの前に座る男

「 帰ってきたか 」こくり

「 二ヶ月ぶりか 」


 書きかけの依頼書を、さっと取り上げる。 「 あっ 」


「 俺が、ついていってやるよ、 金貨 10枚 」ほれ、手を出す。


 ムッサイおっさんは嫌で、できるなら、若くてイケメンの男子がいいとは、流石に言えない。


「 ダムロン 返して 」


「 これ、ギルドの承認もらって、そこに貼り付ける 」

「 俺が依頼書を持って受付へ、決まりだ 」


「 めんどくさい事しなくても、俺が受けてやる 」

「 依頼書を貼っても、俺が受けるけどな 」


「 このところ、危険度Aランクの依頼が2件もあってな、金に困ってない、経費だけでつきやってやるよ 」


「 うぅー 可愛い女の子がいい 」


「 はぁーーっ 、仕事は仕事だ、贅沢な事いうな 」

「 パンプウ村から、一人でダラムまで戻って来るんだ、危険度からするとCじゃ不安だぞ 」


「 危険度Bランクを受けるような、可愛い女の子が何処にいる 」

 目の前にいるつもり、でも私は依頼するほう。


「 俺は、Aを普段選んでいるからな 」


「 バンプウ村から何処へ行くんだ 」


「 パトンタニ大森林 」


「 はぁーーっ 魔獣の領域じゃないか、 まあ、闇の森に比べたら安全かもしれないけど 」

 ダムロンは何か考えている。


「 俺も、一緒に大森林の中について行ってやろうか 」


「 邪魔、足手まとい、使えない、1分で死ぬ 」


「うぐ、うぐ、ぐっ、ぐぐ 少しは遠慮しろよ 」


「 理由は教えてくれないよな 」 こくり。


 夜明けと共に都市ダラムを出発する、漆黒の魔女と白いライオン、冒険者疾風のダムロン。


 町や村にお世話になりながら移動を続けているが、野営をしなければならないときもある。

 枯れ木を集めて火をつける。


 私は寝そべったエンケドラスを背もたれにしている。


 ダムロン 「 俺の事はだいたい話したろ、少しくらいお前の事も話せよ 」


「 色々、お話してくれたけど、女性が一度も登場してこなかったわ、 いい年だし、子供は、もしからしたら、お孫さんがいたりして 」

「 お、お、俺は独身だ! 」


「 へっ 」色々想像してしまった、導き出した可能性、腐って使えない、オカマ、ロリコン。


「 オカマなの 」


「 あほかーーーーっ! 」

「 な、わけあるかーーーっ! 」


「 腐ってしまって使えない? 」


「 お、おまえなぁ。。。 」

「 そんなわけあるかーーーっ! 自慢じゃないが毎朝の朝立ちは欠かしたことがねえ 」

 腐ってなかったんだぁ

「 じゃあ、どうして? 」


「 おまえっ! それを俺に聞くのか! 」

「 。。。。。 」

「 そっとしておいてくれ 」


「 童貞なの? 」

「 何が悪いってんだ! 」


 背中を向けて寝転がってしまった。

 まじかぁーっ おっさん童貞、気色悪い、近づきたくない。

 何度も見ている、腐っているじゃないかと都度思っていた、本当に腐っていたんだ。


 もう一つの可能性、ロリ。

 ロリだったら逃げたほうがいいかも、流石に聞けない。


「 おまえ、激しく変な事想像しているだろう 」


「 あぅーっ 」その通りだ


「 振られ続けていたら、この歳になっていた、そんだけだ 」


 頭から毛布をかぶり動かなくなった。


 どうやら、とっても寂しい人生だったような、触れないほうが良いというくらい解る、さっさと寝る事にした。


「 おい、寝たのか 」

「 ちぇっ 」

「 俺も結婚しようと思った人がいてな、一緒にパーティを組んでいた、俺が下手ヤッテ、俺の代わりに死んじまった、それ依頼ソロでやっている、身代わりに死なれるくらいなら、一人でおっちんだほうがましだ 」


「 お前なら、死ぬことが無いだろうと俺は思っているわけだ 」


「 いいか、俺は、昔はモテたんだ 」

「 ほんとうだぞ、マジだぞ、マジだからな 」

 相手をしないほうが良いような気がして寝たふり、寝たふり。


 少し早く眼が覚めたようだ、ごそごそ。


 ダムロン 「 起きたのか 」


「 寝てなかったの 」

「 お前なあぁー 二人して寝たら見張りはどうするんだよ 」


「 エンケドラスがいるから、心配ないよ 」

「 まあ、いい 」


 ロングソードを両手で握り、振り回す、魔獣にお尻ペンペン、馬鹿にされてから、野宿の時には、素振り、アニメや映画で見た、剣士の構えと技をイメージして振り回す。


 私の体は出来が違うようで、追従するように動く。


 ダムロンは横目で見ながら、剣を使ってもこんな奴を相手にしたら、命が幾つあっても足らないと、冷や汗を垂らす。


「 ふぅ 」体を動かし戻ってくると、お湯が沸き、朝食の準備ができていた。


「 ほれ 」 サトウキビと粉乳を混ぜたような飲み物を渡される、甘いミルクのような飲み物


「 ありがとう 」

「 手にしている剣、魔剣なのか 」

「 そうよ 」

「 見せてくれるか 」

「 魔剣なんていうのは、メッタにお目にかかれないからな 」


 片手で手渡す。

「 おわーーーっ 」ダムロンは剣を握った手と一緒に、地面に寝転んでいた。


「 何じゃこれーーっ! 」 両手で持って踏ん張っている。


「 持ちあがらない 」


「 へっ 」

 ガビーーーンってな具合で、ショック、 片手でも普通に扱える、怪力女、しかも桁違い、知られるわけにはいかない、レディとしての存在意義が揺らいでしまう。


「 その剣、マナを通すと、重さを感じないの 」

 一応事実、だけどマナを遠さなくても、振り回すことくらいやっていた。


「 俺には扱えないって事だけはわかった 」


 ひょいと持ち上げて、世界の箱に収納。


 後片付けをして移動開始。


 ダムロンにしては、珍しく無言、何か考えているよう。


「 なぁ、 自分よりメチャ弱くて、非力な男をどう思う 」


「 どおっていわれても、そういう男は興味すらないし 」 ダムロンの首がコクって落ちた。


「 だよなぁ、だよなぁ 」

「 女は、綺麗で、可愛くて、柔らかそうで、お乳が大きくて、弱くて、俺が守ってやる! っていうのがいいんだけどな 」


 ブチブチ、ブチブチ全否定されているようでむかついた、睨みつける。

 ここで取り乱したら、ダムロンに気があるのかと勘違いされてしまう、気にしないフリ、気にしないフリ、無視してやる。

 柔らかそうで、お乳が大きい。。。 女性はお乳だと思っているクズ男だ。

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