よく死ぬやつと天使

第1話 転生

やっほー

俺の名は山口悟！

どこにでもいる中学生！

早速だけど、下校中に交通事故に遭っちゃったんだ！

「え、俺死んだ？」

「死にましたよ。典型的な事故死です」

「あー」

「ここは転生の間です。いろいろ魂の要望を聞いて、次の命へ繋ぐ場所です」

「転生もののノリ？ガチであるんだね」

「ええ、一応」

「うーんじゃあ、次の人生は人間で、俺が生きてた世界と時代のままで、国は日本！やっぱ良いよねー。んで顔は中間あたりで性格は優しいけど普通。」

「オーダーが具体的ですね。その調子でお願いします」

「おーけい！家庭はちょっと裕福だけど一般的、親はめっちゃ仲良くて、お父さんは大企業のそれなりの地位でそれなりの給料。お母さんは中小企業のOL」

「共働きですか」

「じゃないとやってけないでしょ」

「嫌にリアルですね」

「まあね！」

「注文は以上で・・・意外と無欲なんですね」

「そーかな？」

「他の皆さんは異世界転生とか美少女とか財力とか言われるんですけど」

「ゲームってのはさ、最初大変だからこそ面白いんだよ。最初よりいいものが手に入って、でもそれで越えられない壁があって、それを壊すためにもっといいものを求めてさ」

「人生には課題が必要ということですか。大した人生観ですね」

「ありがと」

「では準備が整ったのでそこの魔法陣に」

「親切で丁寧な天使さん、ありがとね～」

「こちらこそ、全部が抽象的で分かりづらいオーダーばかりしてくるクソ野郎の相手するぐらいならずっと貴方がいいですよ」

寺田　圭人

職業:デザイナー

年齢:28歳

ファストフードのテイクアウトにて食中毒になり、毒に対するアレルギー反応によって死亡。