大人になんてなりたくなかった
まかろん
第1話 ゲロ
吐きそうだった。
胸の内側にとんでもなく汚いヘドロが、お風呂の排水溝やキッチンの排水溝や掃除してない部屋の隅の埃や泥や大量の長い髪の毛が絡まったものやら、この世のありとあらゆる汚い物が絡みに絡まって黒くなったものが胸に泥のようにずっとあるような気がした。吐けば綺麗になる気がしたから、吐きたかったし、そんな汚物がある胸の内側から吐いて綺麗にしたくなるから吐きそうだった。
他人のおめでたを素直に受け入れて祝福できない、年々卑しくなる自分の事を自分が一番嫌いだし気持ち悪いと思うし、嫌悪を抱く。
年を追えば追うほど、足並みから外れている自分と足並み通りに生活を送る人たちを比較して勝手に卑屈になる。
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