【最恐都市伝説】さとるくん
「さとる君って知ってる?」
「知ってる知ってる!なんでも教えてくれる神様みたいな子供?っていう話だよね」
「それ!私、どうしても速水先輩の好きな人聞きたくてさ、試してみようと思って」
「リサ・・・何言ってるの、絶対やめときなって・・・
本当に試していなくなった子がいるって噂、知ってるでしょ?
それに最近公衆電話なんて、この辺にはないじゃない」
「怖がり過ぎ!本当かどうかも分からないんだよ?試すくらい良いじゃん!
良いんだ、どうせダメならダメで良いし
速水先輩の事・・・本気なんだから・・・。そうそう、公衆電話、K公園にあるのよ。」
「・・・もう、知らないからね」
聞けば何でも教えてくれるという「さとるくん」にどうしても速水先輩の好きな人を聞きたかった。幼馴染で、昔からとっても可愛がってくれた速水先輩。
高校に入っても、良く声を掛けてくれるし、私なんかでもチャンスがゼロ・・・
だとは思っていなかった。
でも、勇気が出なかった。
あと一つ、何か確信できるものがあれば。一歩前に進めるの。
だからさとるくん、リサに力を貸して・・・。
◇◇◇
公園の電話ボックスは・・・っと。
あった。まず10円を入れて
「さとるくんさとるくん、おいでください。さとるくんさとるくん、おいでください。さとるくんさとるくん、いらっしゃったらお返事ください。」
(よし、間違えずに言えた!)
これで、携帯の電源を切っておけば、24時間以内にさとる君から電話がかかってくるのよね。
◇◇◇
もう・・・夜中の2時か、掛かってくるの明日かな。
そもそも、掛かってくるのかな・・・?
ジリリリリリリリリリリリリリリリリリ
ジリリリリリリリリリリリリリリリリリ
何これ!?
携帯電源切ってるのに・・・
そもそも、こんな着信音・・・無いっ・・・。
本物・・・!?
「もしも・・・し・・・?」
「いま、がっこうに、いるよ」
ガチャッ!
が、学校!?えっと、えっと、たしか後ろに来るまで待ってるのよね
ジリリリリリリリリリリリリリリリリリ
「もしもし!?」
「いま、いえのまえに、いるよ」
も、もう家!?えと、後ろに来たらすぐに質問をしないといけないのよね。
あと、絶対振り返ってはいけないっていうのだけは守らないと。
ジリリリリリリリリリリリリリリリリリ
「いま、きみの、うしろにいるよぉ」
(き・・・きた・・・はやく・・・質問を)
「あっ、あのっ、速水先輩は―、速水先輩の好きな人は誰ですか―?」
「リサだよ。」
(嘘でしょ!?速水先輩!?)
「あ」
嬉しさのあまり、後ろを向いてしまった。
だって、声が速水先輩で、速水先輩が私の事を好きで、速水先輩のいたずらだったのかと思って
でも嬉しくて、速水先輩速水先輩速水速水速水はやみはやみはやみはやみはやみはやみはやみはやみはやみはやみはやみはやみはやみはやみはやみはやみはやみはやみはやみはやみはやはやはやはやはやはやはやはやはははははははははははははあああははははははははははは――――。
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