思いつきエセ詭弁・詩集
Slick
第1話 "6分の1のn乗" は "1"
はい、ココで数学の問題でーす。
『あるサイコロは、1〜6の目が等しい確率で出るものとする。このサイコロをn回降ったとき、全て1の目が出る確率を求めよ』
まぁ簡単な確率の問題ですよね。1の目が出る確率は何回目かに関わらず常に6分の1。だから答えは『6分の1のn乗』。大正解、めでたしめでたし。
……で、済めば良かったんですけどね。僕はココから、別の問題が浮上してくると考えるのです。それは、
「じゃあ、サイコロを振って何かの目が出る確率は?」ってこと。
とーぜん1ですよね? サイコロを振れば、何かしらの目は出てきますから。じゃないとサイコロは意味を為しません。そもそもサイコロの存在意義は『1〜6の値を無作為に出力する』ということなのですから。
では、最後の質問をしましょう。
『あなたがサイコロをn回降ったとします。その時に出た目のパターン、その確率は何ですか』
ちょっと話が分からなくなってきました?
では暫く間を置きますね。
多分、6分の1のn乗でしょう。
しかし私はここで、一つ申し上げたい。
『いくら確率は6分の1のn乗(nを大きくする程、無限等比数列により値は限りなくゼロに収束する)だとしても、結局サイコロをn回振れば、どれかのパターンは実現できるじゃないか?』
この話は、出る目のパターンを規定しなければの話です。しかしぶっちゃけ、パターンさえ規定しなければゼロに漸近する事象さえも100%再現できるのでは? それはつまり、確率が1であることに他ならない。それっぽく言わせてもらうと、『奇跡は必ず起こせる』のです。
例えば、あなたが駅に行ったとします。
駅には大勢の人がいますよね。あなたは例えば、駅の入口でとある男性とすれ違ったとしましょう。
何のことはない。両者の間に会話など起こるはずもなく、あなた達はすれ違った後、それぞれの目的地を目指します。それでおしまい。
しかしそのとき、『あなた』と『その男性』という人間を指定して考えると、あなた達2人が、それも駅の入口という指定されたポイントですれ違うというのは、数学的に言えば非常に微小な確率なのです! 一期一会という言葉がありますが、まさに『あなた』と『その男性』との急接近は、天文学的な確率で発生したのです。
凄いですね〜、パチパチパチ〜。
ハイ、明らかにノセに掛かってましたが、冷めた頭を持つ皆さんなら疑問に思ったことでしょう。
駅に行けば、必ず誰かとすれ違うじゃん?
まぁ、そりゃそうだわな。ですがそれさえも、確率の視点からすればまさに奇跡の連続。しかし私達はそれを当たり前に日々経験している。そしてあまつさえ「毎日がつまらない」などとぼやく人間もいる。
そもそも、あなたが生まれてきた確率だって、非常に小さなものだったのに。
繰り返し言うと『奇跡は必ず起こせる』のです。
それをあなたが奇跡と捉えるならば、の話ですがね。
以上、深夜テンションで即興で考えた詭弁でした。
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