二首【濁り湯に 揺蕩う娘の 黒い髪 はたと外から 娘の呼び声】
「温泉の素入れてもいい!?」
「いいよー」
「やったー!! ヒナ先に入ってるー!!」
すぐ後から浴室に向かうと白く濁った湯の中に、娘の黒髪が漂うのが見えた。
「ヒナー! 潜るのはちゃんと頭洗ってから!」
すると背後の扉の向こうで声がする。
「ママー!! アヒル取ってきたー!!」
ヒナの声だ…
じゃあこの髪は…だ、れの?
チラと浴槽に目をやると白濁した湯の中に細く鋭い眼差しがあった。
その視線は私を捕らえて弧を描いた。
濁り湯に 揺蕩う娘の 黒い髪
はたと外から 娘の呼び声
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます