本当にやましいことはしてないですよ

 いきなりですが皆様方に問題です。私は今どこにいるでしょう。制限時間は三秒。経ちましたね、正解は嬢ちゃんのベッドの下です。変態じゃないですよ、勝手に家に入って漫画を読んでいたら帰ってきてしまいまして、その読んでた漫画というのがちょっと、へへ。


 今日はそうですね、なんのお話をしましょうか。というか、なんのお話が聞きたいですか?選択肢は一つです。冒険の話。さあ、選んでください。選び終わりましたか?うんうん、声は聞こえてきませんけれども、冒険の話を聞きたいことは分かりました。いいでしょう、この類まれなる素晴らしい文才であなた方に私たちの冒険の軌跡を伝えて差し上げましょう。


 とは言ってもですね、割と私たちの冒険もワンパターンというか。私が魔物と仲良くなり、その魔物を味方が殲滅する。これだけなんですよね。

 あ、ちなみに一つコーナー化しようと思っているものがあります。その名も


 今日の姫さんの拾った武器〜姫さん、それも武器にするんですか!?〜


 ダサいという声が聞こえてきたような気がしないのでそのまま話を進めますね。

 はい、本日の、というか別にこの話は半年前の話ですので本日のも何もないのですけれど、衝撃を受けた姫様の武器を紹介しますね。


 木の枝


 まあ、字面だけ見れば可愛らしいですよ?姫さんが拾った木の枝を武器にして戦うんですから。男の人からしたら庇護欲そそられるんじゃないですか?存じ上げませんけど。ちなみに私は全くそそられないです。雑魚ぶってんじゃねえ。


 少々荒れましたが、姫さんの何が怖いって、木の枝で魔物を殺せるんですよ。木の枝で。

 木の枝っていっても、まあまあな太さのあるやつでしょ?という指摘があるかと思いますが、参考までに言っておくと百均に売ってあるすぐに壊れるライトニングケーブルくらいの太さです。


 もう恐怖ですよね。折れない木の枝、凄すぎます。弟子入りしようか本気で悩みました。私、リスより弱いのですぐ死にかけるんですよね。あ、雑魚ぶってる訳ではありませんよ。雑魚なので。お願いですから私に喧嘩を売らないでください。本気で死にます。命と身体以外なら友人でもなんでも売りますから。


 未だ見たことは無いのですけれど、姫さんはいつか台風なんかで倒れた大木担いで武器にするんじゃないかなってほんの少し期待しています。見かけたら教えてくださいね。


 あとは、なんでしょうねえ。嬢ちゃんと聖騎士様の話をほんの少し致しましょうか。どうやら人気のようですので。誰から聞いたかって?聖騎士様からです。


 聖騎士様と嬢ちゃんは、身分差など関係なしに、いえ、身分差があるから聖騎士様は嬢ちゃんを毎度毎度聖剣で刺すのでしょうけども、仲が良さそうに見えます。嬢ちゃんは聖騎士様に暴力の応酬があるにも関わらずしょっちゅう聖騎士様に絡んでいますね。これがいわゆるマゾヒストというやつですか?聖騎士様は嬢ちゃんを刺したりするのを楽しんでおられるようです。こっちは、あれですね。サディスト。

 あ、とやかく言う気はありませんよ。私を巻き込まないで頂けるなら、どんな恋愛をなさってもいいと思います。まあ、恋愛関係じゃなかったとしても私にはどうでもいいので、応援はしませんけれども。


 ところで、矛盾という故事成語のお話をご存知ですか?どんな盾でも貫く矛と、どんな矛でも守り抜く盾を売る店主に、じゃあその矛と盾を付き合わせたらどちらが勝つのか、と尋ねたお話です。


 聖騎士様は、どんなものを相手にしても聖剣で即死させます。心臓を一突き、足掻く余地すら与えません。

 対して嬢ちゃんは、身体の一部分さえあればどんな状態でも修復可能です。迷子になってはノイルに食べられかけるブリジット様が生きていられるのは、嬢ちゃんのおかげです。

 さて、そんな聖騎士様が嬢ちゃんを聖剣で刺すとどちらが勝つと思いますか?


 まあ、皆様大方予想は着いておられると思います。そう、嬢ちゃんの回復魔法が勝ちます。原理は分からないのですけれどもね。私、魔法は使えませんので。

 聞くところによると、痛みは感じるらしいのです。慣れないんですかね?私はノイルに腕を噛みちぎられていたことを今気づきましたけれど。いつの間に。


 聖騎士様は喜んでおられましたよ。永久機関だとか仰ってました。素晴らしい研究結果です。論文として出したら相応の評価が貰えるのではないでしょうか。その暁には私のことを友人だと言って売り出してもらえると雑誌が売れて生活費が貰えてありがたいのですけれど、とまで申しましたところで姫さんとブリジット様に図々しいと怒られてしまいました。図々しいですかね?図々しいと思う方はもう一冊買っていただけますか。


 次回はブリジット様について掘り下げていこうと思います。


 アデュー、顔も知らない親友たち。また記事で会いましょう。

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