ああああああああああああ

プリオケ爺

ああああああああああああ

「ワイルドスミス・・・・・野生のスミスさん?」


なんで英語なんだろう。


「ふむ、製作系統のスキルじゃな。鍛冶全般の物品を創造できるであろう。次の者」


のじゃ姫様が満足げに笑い、俺の後ろの鈴木を促す。


「ほぉ、剣聖じゃ。さすが異界の者よな、希少な職能が次々と現れよるわ」


「まじかよヒャッハア―――――ッ!」


げー、鈴木まで・・・イキリグループの佐藤が勇者、伊藤が拳王だったしもうあいつらには逆らえないじゃん。


「よぉ~黒田、おまえは絶対『娼婦』だろ」


「うっせーな、お前こそヒジリじゃなくてサガの誤植だろ。どきな!」


思わず顔が熱くなる。

黒田陽子。黒なのに陽という、僕にとってはその姓名を象徴するかのような存在だ。


「安心せよ。『娼婦』という職能はギフトされぬ故・・・おお、聖女じゃ」


「はぁ?!」


イキリグループとその周辺からは吃驚(70代の人らくらいしか語彙にないよね・・・)、その他モブと僕たちヲタク界隈からは、ほぅ、というため息、さもありなんという肯定の反応が漏れる。


「え・・・あの、聖女て処女じゃなくてもいいの?」


「む?異界の教義か?こちらの世にも女は邪なものであり聖からは遠き者という教えもあるが、ならば剣聖も人を切る凶器に聖なるとは無知蒙昧の戯言となるであろ。そちの女は聖を宿すということじゃ。羨ましきことよ」


「・・・・ありがと」


こちらを向き降壇する陽子の目は潤んでいる。


なぜか僕も目が熱くなる。

おそらくは童貞のまま青春を終えることになったであろう僕らイケテナインジャーズ全てを救済してくれた女神。


隣で腰を浮かせかけた磯崎を止める。

なぜ、という抗議の視線に頷きを返す。

気持ちは同じだ。しかし、ここで拍手は安すぎる。

同じようなやりとりが目の端であちらこちらと発生してる。


なんかキモい。

感極まって立ち上がるやつも、それを止めようとする方も、どっちも。


僕らはなにをしてもさえないんだなぁ・・・


「はぁ~、あんたが聖女ならあたしは女神ね」


次は中原らしい。

なぜこのクラスはこんな女ばっかなのか。

しとやかな女言葉を使うやつが一人もいない。


嘆きつつも、行為のときの陽子を思い出し納得する。


異性を意識する関係にでもならなきゃこんなもんだよな・・・


「そう、がんばってねw」


「勝者の余裕かよ、チッ!」


中原がのじゃ姫前の鑑定水晶に向かう。


「・・・魔邪姫」


鎧姿の男に囲まれ、中原は連れていかれてしまった。





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