北斗の撮影会②

「ほんとに北斗くん、カッコいいよね!」

 隣で見ていた、朝位あさい あずみも興奮したような様子。一緒に見に来た親友だ。

「そうだよね。流石、トップモデル」

 美波も頷いた。それに、あずみは嬉しそうにもっとたくさんうなずいた。

「これって次の号に載るんでしょ、楽しみすぎ~!」

 むしろ乗り気だったのはあずみのほうだったかもしれない。

 撮影がはじまったときから、いや、スタジオに入ったときから、目をきらきらさせて、静かにしていたけれど、テンションがすごく高いのが美波には伝わってきたのだから。

「じゃ、次、行きまーす!」

 いつのまにか、カメラマンのところへ来ていたマネージャーが、なにか打ち合わせをしていて、それもオッケーが出たようで、カメラマンがまた手をあげた。

 北斗が微笑を浮かべて、うなずく。

 そして今度は出されていた椅子に座ったポーズをつけた。

 その仕草、ひとつだけで、見学していたひとたち……全員が女子であったが……から、ほうっと感動したようなため息がこぼれた。

 パシャ、パシャッとまたカメラのシャッター音が響き、北斗はその中で、ゆったり椅子に足を組んで座って、ちょっと挑発するような視線で微笑んでいた。

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