あまりに小さくて気づかなかった
@o714
プライベート・メッセージ 19:07
クラブの名前を紹介しよう。
会員はぼく一人しかいないので、決議権はぼくにあった。そうして"CS"は生まれた。
いや違う。ぼくの生んだ子供というわけだから、生まれも育ちもここだ。
CSとは?
『"C"Sって"サ"イコー』の略だ。
もちろん、頭から嘘だ。でもぼくみたいな奴は自分の考えの起源を探られるのに困ってしまう。秘密主義ってのは、つまりそういうモノだ。
だから知りたかったら、Cから始まる単語を一つづつ検索欄に入れていったりとか。
そんなことはしたくないだろうから、言い訳みたいに最後に付しておく。
でも。
壮大な計画とか、世界をひっくり返す陰謀があったわけではない。
そうであれ。そうして神は作りかけたものを放り出した。
すべてに前提があったように。
まあそうでありさえすれば、ぼくは世界の一部ではあった。これではただの夢想家で、堪え性のない可燃物だ。どうせなら燃え尽きようとして、周りを巻き込んでしまっただけ。
前置きで分かってもらえたはずだろう?だからここでは例え話に留めておく。
アポロン、アスクレイピオス、そしてヒュギエーア、あとは無関係だろう他の神々よ。御前において、破った誓いだけ列記させていただく。
・求められても、致死毒を与えることはない、助言さえ。
・すべては患者の利益に帰すため、不正や害悪を与えることは決してない。
だれも聞いてはいない、ぼくは何も修めていなかったからだ。
あっちもあっちで、立派な患者とは言えなかった。
しっかりと右手で、べつに左手でもいいけれども、青銅のメスを握って、サァアっと切り開くと。本当は擬音の通りではなかった、手際は杜撰と言っていい。
思い返せばぼくが施術したわけではなかった、全てはぼくの子供の仕業だ。
ぼくの場合。
それは放たれた十字架型のガラス管内の循環が、空想上に収まりきらなかった時。
ぼくらと違って、エネルギーは閉じ込められても、決して意気消沈したりしない。
そうしたら、かれ一流の後始末。
残るは車の下の猫!
(未送信)
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