第25話 お祭り①

ある日、私とサイラス様は、お祖父様の家でお茶をしていたところ、ジャスミンがやって来た。




「ねぇー。マリア。今日お祭りがあるみたいだよ!さっき精霊の森に行った時に聞いたの!一緒に行こうよー?ラルクは行かないんだって!」



ウキウキした様子です話しかけてくるジャスミン。




「そうだ。今日祭りがあるんだよ。精霊を祀る祭りだから、きっと楽しいよ。この国にしかないお祭りだから、よかったら一緒に行こうか?」



サイラスが私に優しい笑顔で問いかけて来た。




「そうですね…。」



私は返事をした後あることに気がついた。

驚いて私はすぐにサイラスに問いかけた。


「えっと、もしかしてジャスミンが見えてます?」



するとサイラスは、にこりと笑って、私に



「そうだよ。僕も見えてるよ。君の周りをいつも楽しそうに飛んでる子がね。」




サイラスは楽しそうに私に伝えた。私は今まで見えていないと思っていたので、ジャスミンを連れていたが話したのはジャスミンが話しかけてきたのは今回が初めてだったので、今まで気がつかなかった。





「びっくりしました。」




「祭りにはいく?行かない?」



優しく聞いてくださるサイラスに負けて、




「行きます。でも、まずは許可を取らないと。」





お祖父様やお祖母様に許可をとっていかないと心配をかけてしまうわ。



精霊のお祭りなんてここでしかないからとても楽しみだ。




お茶会を後にして、私はお祖父様とお祖母様の元に向かった。




二人は書斎にいて私を見るなり、どうしたのと問いかけてきた。




「お祖父様、お祖母様、今日のお祭り行ってきてもいいですか?サイラス様と…。」



私は、息をあげたまま伝えると、お祖父様とお祖母様は、とても笑って、




「何をそんなに急いでいるのかと心配したら、今日のお祭りに行く許可なんて」




そう言いながら、お祖母様とお祖父様は笑っている。



「もちろん。いいぞ。サイラスといれば安心だ。一応護衛もついて行かせるが、楽しんできなさい。」



「マリアは、お祭りは初めてよね。とても楽しいはずだから行ってきなさい。お祭り用のドレスは私が用意するわ。楽しみね。」




お祖母様はニコニコしながら席を立ち、他の部屋に消えていった。




私はまたサイラスの元に戻り、サイラスに行けることを伝えた。




「では、夜また迎えにきますので、あとで。」




サイラスはそういうと、颯爽と帰っていった。



私はとても祭りが楽しみだったせいか、急いで行ってお祖父様たちを驚かせてしまったことに恥ずかしく思った。



「とっても楽しみね!」


ジャスミンと笑い合った。

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