第20話 ウエスターナの2日目の朝(2)
朝食会場にはイリーナが用意してくれた朝食がずらりと並んでいた。パンやジャムや卵料理、お肉やサラダ。久しぶりに家族以外の方と食べるのでなんとなくウキウキしている。
婚約者がいた頃は、お嬢様同士のお茶会や、ダンスパーティーなど決まった行事ばかりで、婚約者以外の男の人とご飯を食べる日が来るとは思ってもいなかった。
私が席に座っていると、洋服に着替えた男性が入って来た。彼は、私たちの用意しておいた、カジュアルな昼間の家族服を着てくれた。前のはケガの部分に穴が開いてあったりしてもう着られなかったからだ。紺基調の綺麗めなカジュアル服はとても彼の瞳に似合っていた。
「助けていただいてありがとうございました。私の名前は、サイラス・ノーフォークと申します。以後お見知り置きを…。」
「私は、マリア・フェルモア・ドローティスと申します。レオリア家の孫に当たります。」
「そうなんですか。レオリア家の現当主チャールズ様にはよくしてもらっております。お孫さんがいたなんて知りませんでした。」
「私はウエスターナ生まれではありませんので仕方のないことです。」
私は祖父母のことを知っているサイラスにすごく関心が出て来た。
朝食のパンの香りと私の祖父母を知っている彼と話す時間はとても楽しかった。
「ところで、これからどうなさいますか?家に帰られるのでしょうか?」
彼は少し困った顔をしたが、
「もしよければ、レオリア家まで一緒に伺ってもよろしいでしょうか?」
「わかりました。いいですよ。ご飯を食べ終わったら、ホテルの荷物をまとめ次第馬車で向かいましゃう。」
私は彼に笑顔で言った。彼はブルーの瞳で黒髪の青年だ。私より歳が2つ上で名前は、サイラスノーフォーク様。
私は彼のことが少し気になったが、名前などだけを聞き、私はどうして倒れていたのかは、聞かなかったそして、朝食を後にした。
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