第6話 クラウゼ

ユーリが7歳になる頃、ガーランドは言う

「免許皆伝、実のところ、お前に私が教える物は飛行術に関してはもう無い」

ユーリは驚く

「そんな、ガーランド公、僕はどうすれば」

「甘えるな!!」

「はい!!」

「いや、悪い意味で言った訳ではない、お前さんは国内でもトップクラスの竜騎士の操縦技術を超えている」

「そうなのですか?」

「ああ、お前の父親のクラウゼも竜騎士としては優れているが、それに匹敵している」

「ありがとうございます」

「それにしても、クラウゼとは違いすぎるな」

「と、言いますと」

「クラウゼの父親は若くして無くなった、病気でな、このままではシュナイダー家は断絶と思われていたが、お前の父、クラウゼは10歳で家督を継いだ」

「父は偉大だったんですね」

「ところが、お前の父、クラウゼは高所恐怖症で」

「はあ?」

「私に初めて乗った時は泣きながら空を飛んでいた」

「すみません、父がご迷惑を」

「いや、私もこのままではシュナイダー家は駄目かと思っていた、しかし、お前の父は泣きながら降りてもこう言っていた『ガーランド公、私は竜騎士としての才能は無いかもしれません、それでも竜に乗らないと駄目なのです』、10歳の子供が泣きながらそう言った、私はその時、クラウゼを竜騎士に育てないと使命感に燃えた」

ユーリはその話を聞いて奇妙な感覚に襲われる

父がそんな苦労をしていたなんて

「クラウゼはそれから様々な特訓を私とやった、あれほど熱意のある少年はいなかった」

「そうなのですか」

「時には泣き叫び、言葉に言えないような事もあった、だが、私はクラウゼを見ている内に自分の息子のように感じていたのだ」

「自分には想像できません、父がそんな苦労をしていたなんて」

「まあ、そんな話をするのもクラウゼに悪いと思うがな」

と、地上に降りてきたガーランドとユーリ

何故かそこにクラウゼが腕を組んで待っていた

「猛烈に悪い予感がしましたが、何か息子に変な事を吹き込んでません、ガーランド!?」

ユーリは驚く

『公とかつけていない』

ガーランドもガーランドでオロオロしていた

「いや、竜騎士の心構えとか教えていただけだ、そうだな、ユーリ」

「はい、竜騎士の心構えを教えていただきました」

クラウゼは言う

「そうですか、そうですか、ガーランド、ちょっと私を甘く見すぎでは?」

ガーランドはドキッとした

「いや、その竜騎士とはなんであるかとかそういう話で」

「あ、僕は子供なのでこれでおねんねします」

ユーリは逃走

「ガーランド公、竜と言うより人間に近いよなあ」


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