第79話 ヒダールたち、隠れ家で作戦会議をする! そして、ダンジョンへ!!


「なるほど。予想以上にプレイヤー海軍が多くなって、厳重になってるのか。

っで、そんな場所で、リオンとアスナが、食材探しで、キャミーは銀行破りかァ。それはキツイなァ」


「そうなんですよねー。なんか、モンスターの群れを倒し、海底ダンジョンをクリアすることで、ボヤージュを救うイベントがあったらしくて。それで、救ったプレイヤーが多く残ってるんですよ」


「海軍がうろうろしてるから釣り出来なくて。マジでつらたん」


「私なんて、賞金稼ぎと海軍の目の前で銀行破りよ? マジで難易度終わってるわよ」


 うん。話を聞いてみたが、ヤバいな。マジで。


 まず、リオンとアスナは、食材目的だ。


 どうも、必殺技習得クエストで料理勝負をしていて、その最後の勝負に使う食材が、この島の海にいる魚モンスターらしい。


 でも、ハントをしていると海軍が邪魔をしてくると。


 なるほどねぇ。


 んで、キャミーの方はというと。


「NPCの海軍だけでなく、プレイヤーも銀行よく使ってるのよ。この状況で、銀行襲うって、もう自殺じゃない」


 うむ。あの堅牢で有名な、銀行を破りに来たらしい。


 でもまァ、上手くいってはないわな。この様子じゃ。


 よし!


「協力しよう! 俺、海軍基地の破壊だから、破壊すればお前ら楽にできるだろ。だから、なんか情報が欲しい」


「乗った! じゃあ、狙撃を提案します!! 

ボヤージュの街の外れの灯台からなら、狙撃できると思うんだ!! 

そっちで暴れてくれたら、注意がヒダールさんに向いて、私たちは釣りができるし! 

お姉ちゃんも強盗できるから! いいと思う!!」


 リオンは狙撃か。


 まァ、確かに。俺にタゲが向くだろうから、他は手薄になるだろうし。


 悪くはないのか?


「私はダンジョンからの奇襲を押すわ。

このボヤージュの地下にはダンジョンがあって、そこから基地や銀行の下に行けるの。

だから、基地と銀行を襲撃できるわ。

その騒ぎがあれば、リオン達も釣りができるから、良いと思うの」


 キャミーは、ボヤージュの地下にあるダンジョンからの、奇襲作戦か。


 確かに、地下から入って暴れられれば強いだろうな。


 皆もクエストに集中できるだろうし。それもいいカモ。


「えっと、じゃあ私は、潜入かな。

賞金稼ぎの店に入り浸ってる将校を知ってるから、それを倒して潜入……リスクはかなりたかいけど、リターンはマジで高いと思う」


 アスナは、潜入案だな。


 確かに、潜入できれば暗殺できそうだ。


 一方的に勝てるかもね。


 ばれたら、全面戦争になるけど。


 ……ふーむ。


 よし!


「キャミーの案で行こう。ダンジョンからの奇襲だ!」


「分かったわ! じゃあ私が案内するわね!」


「じゃ、私たちは騒ぎに乗じて釣りするか!」


「頑張ってください!!」


 おう! 任せとけ!!


 そういうことで、作戦決定!!!


 ダンジョン攻略に乗り出したのであった!!!


* * *


「ぷは! よし、成功!! ここがダンジョンよ!」


「ぷは! そうか! しかし、泳ぐことになるとはなァ」


「仕方ないのよ。ここ、どうもプレイヤー海軍たちにクリアされた、海底ダンジョンの一部だったらしくて、入り口が海の中にしかないのよねぇ」


「なるほどなァ。じゃあ、プレイヤー海軍もいるのか?」

 

「いえ、ここら辺は閉じたと思ってるみたいだから、見張りやパトロールもしてないみたい」


「そうなのか。よく知ってるな」


「ええ。鳴海会が教えてくれたわ」


「ああ、なーる」


 そう話しつつ、俺達は泳いでダンジョンに潜入した!


 ああ、まさか船から飛び降りて、潜ることになるとはな。


 まァ漁では小舟に乗ったり、素潜りもしたし。


 サーフィンでは、大波に乗って遊びまくったりもした(一応23の島で、サーフィン・バトル優勝経験あり! へへん!)からな。


 潜るのは別にいい。


 でも、ここまで敵が多い危険地帯で潜るのは初めてだ。


 緊張するぜ。ええ。


「さて、結構デカい洞窟だが、中の地図はある?」


「いえ、そこまでは」


 なるほど。じゃ、メナス!


「はい! 融合召喚! 振動把握!!! それ!!」


 メナスと融合し! 振動を感じる!!!


 これで、ダンジョン内のモンスターの場所と! どこを掘れば、海軍支部や銀行の真下か把握し!!!


 ――ダンジョンの地図を作りました!!!


 うっし! ダンジョン地図を作成完了!!


 これでやりやすくなったぞ!!!


「よし、ダンジョン地図が出来た。メールで送るから、共有してくれ」


「ありがとう! ってか、凄いわね! 融合召喚で地図を作れるなんて!」


「ちょっとした振動把握の応用だよ。このゲーム、かなり自由にできるからな。アイデアしだいさ!」


 さて、では地図を見てみよう。


 掘る位置が分かれば、さっそくそこに行ってやればいいんだが……ふむ。


「わ、この地図めっちゃわkリ安井。つまり、ここを掘れば銀行の倉庫に出て」


「ああ。こっちを掘れば、銀行の金庫室に出られるようだな」


 とても優秀な地図だ! メナス、マジ優秀! イエイ!!!


 ただし。


「その場所に、詳細不明の魔力ありってのが気になるね」


「ええ、プレイヤー海軍が封印魔法を仕掛けたか、封印系のクラフト・アイテム作ったか」


「それとも、NPCか。イベントNPCによる魔法か、モンスターによるものか」


 区別がつかんな。これは。


 よし。


「一度、見に行ってみよう」


「そうね。現場を見ましょう」


 そういうことになった。


 っで!


洞窟を静かに歩いていくと!


「「「「「!!!! GGGGGAAAAA!!!」」」」」


 モンスターが来るので!


「火吹き! そして、無限ジャンプ・アタック!!」


「無限・火炎車ァァァ!!! ヒーハー!!!」


「「「「「!?!? ぎゃあああ!!!」」」」」


 メナスと一緒に開発した、新技!


 蛇の炎を纏った無限ジャンプ・アタックで! 


 抹殺! 抹殺ぅぅう!!! 


 イエーーー!!!!


「え、マジで有能な技じゃない? それ!?」


「ああ、かなり使えるぞ。メナスの炎と一緒にすることで、高火力と火傷付与! モンスターを、ほぼ一撃倒せる上、洞窟も照らせるからな。マジで有能だ」


「へーーー!!!」


 ちなみにメナスと融合して、火を吐けるようになったので、他の攻撃にも炎を付与できる。


 これで、普通の魔法より攻撃力が高く、俺の呪いも付与できる攻撃が増えるわけだ!


 まったく、モンスターを一撃で殺しながら進むのは、最高だぜぇ! 


 へへへ!!!


 っと、思いながら! 


 俺たちは、ドンドン、モンスターを焼き切り! 洞窟を照らし!


 進んでいったのさ!!!


 すると!!


 ――ガキィィィンンン!!!


「! 弾かれた! 扉か」


「ダンジョン扉ね! つまり、この洞窟のダンジョンはここまでってこと。奥は、未知の世界が広がてるはずよ!」


 ああ、そうだな。


 つまり、次なるダンジョンの中に、目的の場所はあるということ。


 そして、未知のダンジョンってのは、常識にとらわれないことが多い。


「何が出てくるかな」


「分からないわ。前に潜ったダンジョンは、初めが森。扉を開けたら、火山地帯で、そこの扉を開けたら、雪国だったわ」


「俺の場合は、海のダンジョンから、サバンナのダンジョン。次は、デカい虫しかいない森ダンジョンだった」


「うへー」


 何が出てくるか、マジで分からない。


 ダンジョンは、不思議なのだ。


 そこが、ゲームとしては面白いんだが。今はできるだけ消耗したくない。


 慎重にいこう。


「じゃ、鍵開けるわね」


「ああ、頼む」


 キャミーが盗賊のスキルでカギを開け! 中に入る!!!


 さて、先は……む!!!


「……これって……」


「うわ、最悪。急いでる時にこれかよ……」


 ああ。最悪なダンジョンに当たったな。


 うん。そこは、とてつもなくでかい、洞窟の中!!


 人工的に作られた感、満載のある洞窟には! ボールを転がして穴に入れたり、水を操作してエレベーターにしたり、魔法や銃を撃ちこむ的みたいなのも見える!


 そんな、ドデカいギミック・ダンジョン!!!


 仕掛けを解いていかないと、進めない! 魔法ダンジョンが待ち構えていたのである!!!


 時間かかるって、マジで!!!


「これは、イベント魔法で確定だな。おそらく、イベントをクリアしたことで、NPCの魔法使いか何かが、ギミック魔法を掛けたんだろう」


「そうね。この分だと、残りのダンジョンも、ギミックでしょう。そうなると」


「ああ、基地や銀行の真下も、当然ギミック魔法が掛かって、『破壊出来ないようになっている』」


「そこを破壊していくには、ギミックを解いていかないとね!」


 そうだな。ギミック・ダンジョンは、ギミックさえ解けば、先に進めるように魔法が解けるからな。


 それで、ダンジョンも壊せるようになるのさ!


「じゃ、ギミックを解除するか!! リオン達のためにも!」


「賛成! 行くわよ! それ!!!」


 かくして!


「「「「「!!! GGGGAAAA!!!」」」」」


『『『『『!!! グォォォオオオ!!!』』』』』


「それ! ミニガン掃射! 蛇腹剣弾き! 暴れ斬り!!!」


「遠吠えビーム! 分身斬撃! おっらァァあ!!!」


「「火吹き! 音楽魔法! 斬撃波ァァァ!!!」」


「糸無双! 蜘蛛空手! はィィィ!!!」


「「「「『『『『『!!! ぎゃあああ!!!』』』』』」」」」」


 迫りくるモンスターを、一掃し!!! 


「よし、ここは壁登りできるな! アラコ!」


「はい! 壁登って糸! ジャンプで、あ~! あああ~~~!!! っと! 

向こうにいけちました! 糸で橋を作りますね!!」


「よし! そこを通って、ギミック無視だ! 

次も、無限ジャンプ・アタックしてる俺に、キャミーが踏みつけてジャンプ! そこでエイナと融合召喚し! ハイエナの耳生やして、二段ジャンプ! 飛ぶ斬撃で、的を当て! 扉を開けるように!!」


「まかせて!」


「融合のタイミングだな! しくるなよ! キャミー!」


「ちょっと、プレッシャー与えないでくれる!? あなた私の悪魔でしょうが!!」


「喧嘩せずに行きましょー! むこうの壁の玉に糸付けて、穴に落すんで! いきますよ! せーの!!!」


 ギミックを、解いたり、無視したり、しまくって!


 ――ガコン!!! キュィィィンンン!!!


 ――パンパカパーン! ギミック・クリア!! おめでとう!!


「「「「「しゃあああ!!! クリアァァあ!!!」」」」」


「「「「「イエーーー!!!」」」」」


 目的の場所を! ぶっ壊せるようにしたのサァァあ!!!


 フーーー!!!


「よし、魔法も解けてるっぽい! これで、天井を崩せるな!」


「ええ、そうね! じゃ、私たちは銀行の方に行くから」


「ああ、俺は海軍支部の方に行こう!」


「頑張って!」


「ああ、そっちこそな!!」


 ここからが、本番だ!!


 そういうことで!


「大蛇召喚! 天井を抉れ!」


「シャァァア!!!」


 俺は、大蛇を召喚し! 天井に一撃!!!


 そのデカい尻尾をたたきつけ、轟音を響かせながら!!


 大穴を、開けさせたのである!!!


「サンキュー! じゃ、糸を出して! ほいっと!!」


 んで、その穴へと、飛びこむと!!!


「振動感知! 外、凄い数のプレイヤー海軍よ!!」


「外見ました! 間違いなく、支部の基地! ここは、狙い通り! 物資倉庫です!!」


「よし! 成功!!!」


 海軍支部基地の、物資倉庫の中へ!


 潜入成功!! したのだよぉぉお!!!


 フーーー!!!


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