シーズン2 最終章! 開催決定!!!

第62話 坂本翔平。味覚共有配信の反応と、バトロワのためにテコ入れを決意!!


「いや、マジで配信大成功だなァ! やはり、悪役令嬢ラミィと、ビリー、ジョリーは、強いぜ! ええ!!」


 あの配信は、大成功だった!!! 


 配信した悪役令嬢・ラミィも、10万人突破! 


 ファンタジア・エルドーンのユーザーも、1万人を突破! 


 ってか、一気に、3万人に到達したぜぇぇえ!!! ウイーーー!!!


 これは大成功! 嬉しいね!


 っと、思っていると!!


 ――ピピピ!!! ガチャ!!!


「翔平! すごいよ! 3万人だよ! 一気に! すごい!!! わあああ!!!」


 めっちゃ興奮している、幸太郎から電話が来た! 


「落ち着けや。まァ、気持ちは分かるけど」


 でもまァ、人気配信者の配信で、世界初の技術と、ダイナミック・アクション・バトルを見せたからな。そりゃあそうなるわな。ええ。


「それでも凄いよ! ってか、技術革新がマジですごいことだよ!!! っで、その件で話もあって」


「何?」


 想像つくけど。


「いやさ、世界初の技術。味覚共有の件で、学会や政府、国際VR技術研究本部(アメリカ)から、是非話を。取材をって来てるんだけど」


 断る!! ここでユーザーを後回しにするべきじゃあない!! 


 やっとファンタジア・エルドーンに火が付いたんだ! 


 ここで盛り上げないと!! マジでヤバいぞ!!!


 世の中には、人気VRMMOがわんさかあるんだ! 


 ココで失敗したら、今度こそ客は離れるぞ!!


「わ、分かってるよ! でも、どうすれば」


「そこは考えてある! 大型イベントを作るんだ!」


「お、大型イベント!?」


 俺ができる大型イベントと言えば、あれしかない!


 そう! バトロワ!!!


 海軍と海賊での、対決だ!!!


「え、もう!? 早くない!?」


 早いくらいでちょうどいい。


 ゲームに勢いがあるうちに、面白い部分を出さないとな!


「それに、いきなり対決じゃない。少しでも、お前が正当な続編を作れるよう! 小規模なイベントを絡めて、時間稼ぎだ!」


 題して、NPC争奪戦! 


 ボス・モンスターや、悪役NPCなどを配置して、困っているNPCなどを助け! 


 海賊や、海軍にスカウトできる! 


 戦力増強イベだ!


「あーなるほど! つまり、前のシーズンでやってた、強盗VS冒険者! それにはなかった、NPCの戦力化だね! 仲間を増やすんだ!」


 そういうこと!!


 時間稼ぎも兼ねてるから、とんでもない数だすぞ! 


 種族も、人間、エルフ、ドワーフ、人魚、巨人などで、区別し! ストーリーも、簡単なのから複雑なものまで! 


 それこそ、短編映画位ありそうなやつをそれなりに用意し! 皆で挑むようにしている!!!


「へーすごいね! よくかけたなァ」


 ああ、味覚共有システム作る片手間に作ってた。多分大丈夫だろう


「え、マジ!? 天才か!?」


 まァな!! へへへ!!!


 で、プレイヤーとPKを争わせるイベントや、それぞれ専用のNPC確保イベント。


 ユーザー同士の小競り合い、バトル発生が起きやすくなるよう、海流や島の位置を調整。


 それと、やはりプレイヤーとPKでは、差別化を図りたい。


 ってか、このままだと勝負になるか怪しいから、てこ入れを入れたいな。


「え、どっちに? どんな?」


 PKに。具体的には、能力強化・必殺技取得。


「ええ、マジで? それはちょっとやり過ぎじゃない?」


 え、そうか?


「そうだよ。確かに、PK側であるキャプテン・ジョリー・ロジャーや、悪魔令嬢・ラミィの配信力で、ユーザーは増えた気はするけど。でも、そこまで優遇するのはどうかと」


 いや、別に俺はラミィやジョリーで伸びたから、優遇したいんじゃない。


 もっと切実な理由で、PK側を強くしたいんだ。


「というと?」


 ゲーム・バランスの問題だよ。


 このままだと、プレイヤーの数が多すぎて、決戦イベントで『数で押し切り勝利』になる可能性が高い。


「え、NPC入れても?」


 NPC入れてもだ。


 現時点で、ユーザー3万人。


 その内訳は、プレイヤー2万に、PK1万だからな? 


 これでPKに数多くのNPC入れたら、露骨ってレベルじゃない。


「あー、そっか。1万以上のNPCをPK側だけに入れるのは、ちょっとダメだね。うん。というか、なんでここまでプレイヤーが増えるんだ」


 そりゃあ『かっこいいのと、正義のイメージ』だろ。


 光速で動ける光の騎士とか、自分だけの力ってことで、主に海外でプレイヤー人気は高まっている。


 逆に、カルマ武術や悪のイメージで、PKは比較的日本で人気があるが、それでもやっぱ主流はプレイヤーだな。


 そもそも、ゲームを始めるきっかけが、友人に誘われてが多いし。


 その友人が、ユーザーの割合から言って、プレイヤーの確率が高いなら。そりゃ誘われた奴も、高確率でプレイヤーになるわ。


「なるほどなァ。それで、人数差がここまででるのか。ふーむ」


 まァ、他にもいろいろと理由はあるだろが、おおむねそういうことだ。


 で、そうなるとやっぱ数が多いプレイヤーが有利であり。


 ごり押しで勝たれるのは、ゲームとしてまずい。


 何がまずいって、『バトルに歯ごたえがないと思われてゲームをやめられる』ことが、マジでまずい。


「え、そんなことあり得る!?」


 あり得る。なぜなら、『ファンタジア・エルドーンのプレイヤーは、PKとバトルし、その戦闘力を上げてきた』歴史があるからだ。


 彼らプレイヤーが苦戦するのは、基本PK戦のみだ。


 モンスター狩りに苦戦するのは初心者くらいで、中級以上はボスモンスターでも、実力や工夫、作戦で倒せている。


 むしろ、苦戦するPKとのバトルを、一番楽しんでいるのが現状だ。


 高度な技の応酬に、緻密な作戦や奇襲が織りなす、熱いバトル!


 エネミーじゃ味わえない、自由で、奇策な、なんでもありのガチバトル!


 それを、プレイヤーは、求め! 楽しみ!


 そのために、ファンタジア・エルドーンをプレイしているといっても、過言ではないんだよ!!!


「そ、そうだろうか? 他にも楽しみはあると思うが。クラフトとか、貿易とか、カジノとか、デートとか」


 まァ、そういう要素もあるにはある。


 でも、根幹にあるのは、PKとのバトルだよ。


 その証拠に、プレイヤーたちは、サイバー・ビーム流を作り、エクター使いを作り。PKたちは、カルマ武術を作りだした。


 お前の仕込みを除いても、『流れ』、『無限・ジャンプ・アタック』、『透かし』、『二段透かし(PK専用)』、『挑発キャンセル』、『ジャンプ狙撃・スロータイム』などのバトル・テクニックが、発明されている!


 というか、お前の言うクラフトや、デート、カジノなんかも、最終的にはバトルを有利にする要素だからな。


 それらを楽しんでいるユーザーは、めっちゃバトルで活躍し、バトルをエンジョイしてるぞ。


「……そういえばそうだった。バトルを楽しみたい。勝ちたいと思わないと、ここまで技術発展はしなかったし。ミニゲーム要素も、ここまでプレイされなかったわなァ。あ~って、ちょっと待って!」


「それじゃ、ここでPKとのバトル! 歯ごたえないってなるのは、結構まずい?」


 まずい。それだけは避けたいレベルで、まずい!!!


 PKのためではなく、プレイヤーのために!


 多くのユーザーに、ゲームを楽しんでいただくために!


 敵であり、切磋琢磨する対象であるPKには! 強くなってもらわないと、困るのだ!!!


「っそ、そういうことかァ! じゃあ、どうするの?」


 だからこそ、戦力強化・必殺技取得だ。


 最悪、『PKはNPCの数を減らしても、能力UPさせたい』と思う。


 それが、プレイヤーとPKの差別化につながり、両方の魅力になる。


「! なるほど。ファンタジア・エルドーン世界の住人・NPCとより多く触れ合える、プレイヤー海軍。

己を強くし、ド派手な必殺技と能力で、劣勢をひっくり返し! 大暴れするPK海賊。

差別化できてるな。うん、いいんじゃないか?」


 そうだな。とりあえずその方向でやっていこう。


 じゃ、イベントの告知に、NPCの設定・設置。PKの修行イベントも作るわ! じゃあな!!


「ああ、頑張れよ! 翔平!」


「おう! って、お前が一番頑張るんだよ! 正当な続編作れ!!」


「はーい!!!」


 ったく、あいつは。能力はあるのに、すぐ集中切れるからなァ。


 でも、間違いなく有意義な話合いだった!!


 この方向で、やっていこう!!!


 そういう訳で、電話を切った俺は、すぐにVR空間に入りびたり!


 数多のイベントを、練り上げるのであった!!!

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