腐れ縁ばかりの同級生の中で俺だけハブれてるんだが?

あちゅ

1年生編

プロローグ

腐れ縁・・・


 この言葉を聞いた時、どのような仲を想像するだろうか?

「幼稚園からずっと一緒な人」「ずっと同じクラスな人」色々な関係を思いつくだろう。

 

 かく言う俺、赤松大輝あかまつたいきにも「幼稚園からずっと一緒な人」という意味での腐れ縁が存在している。それも、一人や二人では無い、ここ田無中学校での同学年88人中80人は幼稚園からの付き合いであり、前述の意味での腐れ縁という関係になる。

 

 だが、いくら腐れ縁だからとは言え、全てが友達かというと疑問をもってしまう。

俺の住む町は北区、東区、西区、南区と4つの区に分かれており、俺の家がある北区には同級生はほとんど住んでおらず、帰宅の端に家があることから、同級生たちの家からも遠く、頻繁に遊んでいた関係とは言えないのである。


「なあ、今日の放課後お前の家でモンハンやらね?」


「いいよー!それならレア素材集めるの手伝ってくれ!」


「おけ!家帰ったらすぐお前んち行くわ!」


 学校ではこんな会話を繰り広げる事が出来るのは、ある程度家が近くて、昔からよく遊んでいた仲同士のみで、俺みたいに、町の端に住んでいる民からすると、関わることが無い会話でもある。


 その結果、俺は腐れ縁と呼べるような関係しかいないこの学年の中で一人で遊ぶことが多くなってしまった。勿論、家の立地だけでこのような立ち位置にいるわけでは無いが、それについてはあまり思い出したくない。


 まだ、中学生活が始まってひと月しか経っていないのに、この3年間を早く終わらしたいと思いながら今日も一日が過ぎていく...



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