黒髪の香りー2-

─── 花を思わせるその髪の香りが心を狂わせる


 部長はぐっと榊木の肩を両手でつかむ。

 「あ・・」

 一瞬どきりとする榊木。

 部長は頬の近くまで顔をよせ、耳元でささやくように誘う。

 そして、鼻につく微かな女性の香り。

 「ね・・いいでしょ。・・あなたに見せたい物もあるの」

 部長の家に長いせずに足早に帰ろうとした榊木。しかし部長に足と止められる。

 「み・・見せたいものってなんですか?」

 「実はね、あたし、家でも絵を描いているの。それも見てもらいたいかなぁって思って」

 自宅でも絵を描いている・・。それは榊木には初耳だった。

 (部活だけでなく、家でも描いている・・ここまで絵を愛しているなんて)

 そのまま部長に手を取られ、家の廊下を歩く。

 部長の家は正面の玄関からまっすぐ伸びる廊下の間取りになっている。そしていくつかの部屋や階段へと分かれているのだが、突き当りにも扉があった。そこへ手を引かれる。

 (この方向だとたしか・・あの不思議なお部屋・・)

 部長がにこやかに扉を開ける。そして強い光が目を射す。思わず眩しさに目を瞑ってしまう榊木だが、ゆっくりと目を開けると・・そう前面ガラス張りの部屋。

 「・・すごい・・」

 思わず声が漏れる榊木。

 部屋正面に構えるイーゼルに、机には油彩の絵具やら筆が散乱したように散らばっている。

 そして部屋を囲むように立てかけられた大量のキャンバス。ほとんどは布がかぶってて見えなかったが、風景画や静物など大量に飾ってある。

 「・・すごい・・ですね・・これすべて・・部長が・・」

 「いや・・すべてではないけどね・・。この部屋お父さんのアトリエだったのだけど、今は私が絵を描くときに使っているの」

 「お父さんも絵描きだったのですね。だから部長も・・」

 といった瞬間、どきりとする榊木。

 ──部長・・笑ってない・・。

 あの流れから父親の話にもっていくのは自然だとは思ったのだが、地雷を踏み抜くような話にしてしまったのかと急に不安になる。

 (え・・部長・・怒ってる・・でもお父さんがって・・)

 「んー、そうね。でもお父さん、お母さんと別れちゃったから・・だからそのままあたしが管理を引き継いでいるって感じかな」

 「そ・・そうですか・・」

 取り合えずすこし笑顔が部長に戻っていたようなので少し心を落ち着けた。両親の話は地雷だなと思いなにか話をそらす方向を考えるが・・。

 ・・ふと、場に似合わないのが目にはいた。

 (・・なんでベッドが・・あ・・これ・・も聞いても・・地雷のような・・)

 まじまじとベッドを見ている榊木に気がついたのか、部長はこう促した。

 「立ちっぱなしもなんでしょ?ベッドにでも腰かけててまってて?今飲み物をもってくるわ」

 「・・あ・・はい」

 部長はスカートをひらりとさせて振り向くとそのままアトリエを出ていった。

 そしてアトリエに一人きりになる。そうするとやはり周りにある絵に興味がでてくるのだ。

 ・・特に気になるのは布のかけてある絵だ。

 今なら部長はいない。多分勝手に見てもばれないだろうと。

 (なんかわざと隠しているような気がする・・お父さんが描いた絵なのかな・・両親が離婚したっていっていたし・・お母さんの目につかないようにしているとか・・)

 そしてまだ部長がまだもどってきてない。こっそり見るなら今だと思った。

 そして息を飲んでそのうちの一枚の布をゆっくりとめくる・・。

 ──!!

 いままでで一番心臓が止まる思いをした。そしてこみ上げてくる興奮。

 ・・その絵は・・女性の裸体の絵・・今ここで腰をかけてたベッド・・その場所だ。

 ・・そしてその絵の女性のモデルは・・。

 (・・こ・・れ・・部長・・)

 とっさに次々とその布をかけてあった絵をめくる。

 すべて、裸体の女性・・それだけではない。幼い姿を見せる絵も多数含まれている。

 ・・まるで部長の成長記録をつけているような・・いや・・それ以上のがあったのだろうか・・というのが頭の中をよぎり、冷や汗が出始める榊木。

 「あら、やっぱり見ちゃったのね・・」

 「──!!」

 後ろからの声にびくっと体を震わせる榊木。

 ゆっくりと後ろを振り向くと、トレーを持った笑顔で榊木を見る先輩の姿。

 「あ!いや・・足に布をひっかけちゃって・・別に盗み見するわけじゃ・・」

 「ふふ・・言い訳は結構・・」

 そっと、トレーを近くのとゆっくりと榊木にちかづく部長。

 「あ・・」

 の瞬間、胸ぐらを掴むとそのまま榊木をベッドに押し倒す。

 「きゃあ!!部長!!何を・・ん・・」

 するりと手がワイシャツをめくり手が入ってくる。そしてブラジャーの下から指を滑らせ胸を触れる。

 「あたしの裸を見ちゃったんだからやっぱそこは公平にならないとね」

 「私・・の裸・・が・・見たいって・・こと・・です・・ん♡か・・」

 「だって、これからあなたをモデルに描くのですもの・・」

 そういいながら器用に片手でゆっくりと榊木の上着をはだけさせていく部長。

 「や♡あ♡」

 そして敏感な耳元に息がかかるようにささやく。

 「布越しではわからない部分があるの・・その凹凸もしっかり・・理解しないと・・鎖骨・・肋骨・・背骨・・そして・・お腹の筋肉に・・胸・・」

 「やぁ!♡」

 部長は指を滑らせ体の敏感な部分をまさぐる。

 いままで他人に執拗に触れたことがなかった榊木は過敏に感じ、身をよじらせる。

 「あら・・気持ちよくなってきちゃったの・・?体だけで・・もっと気持ちい場所あるの・・しってるわよね・・」

 「な・・なにを・・んあ!♡」

 部長はスカートをまさぐりショーツごしに榊の大事な所をこすり上げた。

 やはり他人に触られたことがない場所。いままでない感覚に榊木は興奮が治まらなくなる。

 「や・・あ・・♡だ・・だめ・・やめ・・て・♡」

 「やめてとかいっている癖に・・興奮しているのわかる・・♡」

 と、ショーツごしにこすり上げる。

 「やあああぁ!!♡」

  ガラス張りのそのアトリエの中は、乱れる吐息、高揚した榊のだけが響き渡った。

 執拗に攻める部長に榊木は汗だくになって乱れる。

 「あん♡あ♡だ・・だめ・・ん♡ぶ・・ちょ・・やぁぁ♡」

 その反応を面白がって部長はぐりぐりとさらにショーツをいじりながら、ブラジャーからあふれた豊満な胸を口で加え、上目づかいで榊木の反応を楽しんでいた。

 「ねぇ・・♡気持ちいい・・?榊木ちゃん・・いいよ・・もっと気持ちよくなって・・あなたの本性もすべてみせて・・♡」

 「やぁああ!!♡ 駄目!駄目!あぁぁぁ!!!!♡」

 最後に榊木は大きくからだを身ぶるさいせ、そのままこてんと動かなくたった。

 汗だくになり、肩を揺らし胸を上下させながらおおきく息をする。

 部長も汗だくになりながらその姿をまじまじとうっとりと見つめる。彼女も興奮覚めない状態だった。

 「ふふ・・すべてをさらけ出した榊木ちゃん・・本当に綺麗・・かわいい・・♡もっと見せて・・あなたの中を・・すべて♡」 

 そして榊木のスカートの中に顔をうずめる。

 「え?やあぁぁ♡いまおかしくなったば・・んあ♡あぁぁ♡壊れ・・ん──♡」

 その部長と榊木の濃厚な絡みは日が沈むまで続いた。


 ***


 はっと目が覚める榊木。先ほどの執拗な部長の攻めで力が入らない状態だが、ゆっくりと起きる。

 ベッドの上で全裸だった。

 その隣で同じく全裸で寝息を立てている部長の姿が暗闇の中で見える。

 急に猛烈に恥ずかしくなった榊木は彼女を起こさないように制服を手に取り急いで身なりを整えると足早に家をさった。

 (・・いったい・・なんで・・あんなことに・・というか・・もう・・・学校で部長の顔がみられないよぉ!!)

 歩くごとにショーツが擦れ、快楽がこみ上げる。まだ強い余韻が残っている状態だったが、急いで家に帰宅するのだった・・。

 強い海風がスカートをなびかせる。

 ・・その隙間から太ももを伝う汗が月の光で輝いていた。

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