155.見えないゲートを捜索せよ
私達は朝バーガーを食べた後、カガミさんの住んでいるアパートに向かった。
大学に近いって理由で、一人暮らしをしているみたいだった。
「よく来たな! いやぁ、友達と遊ぶだなんて、中学生ぶりだ!」
カガミさんがお出迎えしてくれたので、私達は部屋の中に入っていく。
「お邪魔します!」
「ゆっくりしていってね!」
「ありがとう! でも、カガミさん、ゲート捜索なんだけど……」
「あっ! そうだったな! 暗くなる前に行くか!」
こうして私達4人は、とある場所に向かった。
先頭は見えないゲートを見ることのできるカガミさんだ。
そして、目的の場所に到着した。
って!
「服屋じゃん!」
「同じ服だとバレると思ってな。いくら顔を隠しているとはいえ、探索者の間じゃ有名なんだろ?」
「あ、そういうことか!」
確かにそれはあるかもしれない。
今は似た服を買って着まわしている状態だから、他の服もあった方がいいのかもしれない。
「奢るからよ!」
カガミさんは親指を立てながら言った。
「いやいいですよ! 服って結構高いですし! カガミさんだって、バイト大変でしょう!?」
「何言ってんだ。バイトなんてする訳ないだろ」
カガミさんは笑いながら話を続ける。
「数年後嫌でも働くはめになるんだぞ? 今から働いてどうする!」
ってことは、親のお金ってことだね。
まぁ、私も働いたことないから何も言えないけど、カガミさんのお父さんとお母さんも、きっと自分の為に使って欲しいって思っているだろうし、やっぱり遠慮しておこう。
「実は私達結構持ってるので!」
私は内ポケットから、札束をチラリと覗かせた。
「おお! 凄いな! どこからそんなお金を?」
「えっと、詳しくは話せないんだけど、知り合いのおじさんに貰った!」
流石に未来のことは話せないから、なんとか誤魔化した。
「不審者じゃないだろうな?」
「違うよ。凄いいい人だよ!」
実際Gさんがいなかったら、私達はこの時代を生きることができなかったしね。
「折角だから、いつものとイメージが違う服がいいよな!」
「私はこれで」
ココロちゃんとソラちゃんは、安そうな服を選んで買った。
持っている服とは、結構印象が違う服だ。
「メイド服とかどうだ?」
「コスプレじゃん!」
カガミさんは、なぜか服屋に売っていたメイド服を持って来て言った。
「注目のマトにしかならないって!」
「仕方がない、私が自分用に買うか!」
「カガミさんが!?」
しかもそのメイド服、予想よりもかなり高いし!
その後私達は買い物を楽しんだり、ゲート捜索をしたりした。
けど結果は、まぁ上手くはいかず。
「楽しかったな!」
「うん!」
でも、楽しかったからいいか!
なんだか、凄く羽根を伸ばせた気がする。
「wifi借りてもいいですか?」
「おう! パスワードはこれだ!」
私達はネットで情報収集をすることにした。
もしかすると、見えないゲートについて、新しい情報があるかもしれないからだ。
「それにしても、これからお金どんどん入って来るんだろ? 羨ましいな!」
「なんのこと?」
「広告収入って奴だよ」
「ああ、それは……うん。ちょっと振込先がなくて……」
「確か子供でも口座開設できるだろ。それか親に頼むとか」
「お父さんとお母さんには、秘密にしてるから……」
「あそこまで有名になったら、いつかバレるだろ」
「ま、まぁ。バレるまで隠す的な?」
本当だったら、収入は欲しいけど……あっ! そうだ!
「振込先にカガミさんの口座を使わせて貰うってのは、駄目かな?」
私がそう言うと、その場にいる皆が驚いた。
「おい! 私のことそんなに信頼されても困るぞ!」
「私は信頼していない訳じゃないですが……いや、それならいいかもしれませんね」
「お金は絶対これから先必要になってくるしな!」
ソラちゃんとココロちゃんは、最終的に私と同じ意見になった。
「カガミさん、駄目?」
「いや、別に私は構わないが……ま、いいか」
「え?」
結構あっさりだった。
「いいんですか!?」
「ああ。その代わり、私はお金は受け取らないぞ」
「それはそれで悪い気が……」
「いや、なんか口座貸しただけで貰うってのもなぁ……それに、広告収入で得る金銭以上のものを私は得られたかもしれないからな」
「なんですか?」
「友達……それと……ふふ、まだだ……まだ
なぜか師匠は笑いを堪えていた。友達なのは嬉しいけど、一体何を笑っているんだろう?
その後、情報収集をしたけど良い情報は見つからなかった。最初は、「もしかして!」と思った情報があったんだけど、ガセネタだった。
そして、カガミさん家のお風呂を借りて、夕食をご馳走になった。
後、今日は泊まっていっていいって言われた!
「寝る前になんか見るか!」
カガミさんはディスクを入れて、テレビでとあるアニメを再生させた。
主人公が何回もタイムリープを繰り返して、ヒロインを救う、今でも人気があるあのアニメだ。って、これだけだとどっちか分からないよね。
「いいよな! タイムリープもの!」
「うん!」
「私も過去に戻れたらって、こういうアニメを見てたら考えちゃうな。ちなみに、皆は宝くじの番号とか知ってたりするのか?」
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