15.ファンの人!?

 ボスがいた所には、3つの物が落ちていた。

 これがドロップって奴だね。


 私は変身を解除して、確認をしに行く。


 1つは自動撮影装置。

 1個だけだけど、まぁ、個人で使う分は後々また来てゲットすればいいことだしね。


 ソラちゃんはソロだとキツそうだし、代わりに私がゲットしよっと!


 本来だったらビッグスライムっていう、ただのデカイスライムモンスターだって話だし、簡単そうだしね。


「おお! 装備もありますね!」

「布じゃんこれ」


 どう見ても布だけど、ゲーム的に考えると、これでも効果があるのかな?

 私達初心者だし、鎧みたいな奴がいい気もするけどね。


 これは見た感じ、侍が身に着けるような衣服だ。


 後もう1つは武器、これは刀だね。

 なるほど、これを着て侍になれってことなんだね!


 ココロちゃんにあげたいな!


「ソラちゃん、これココロちゃんにあげてもいい?」

「え? 別にいいですけど、破壊龍さんはいいんですか?」

「私は別にいいや!」


 どうせ変身して戦うしね。


「ということで、ココロちゃんどうぞ!」

「本当にいいのか?」

「いいのいいの!」


 って、畳んで手に持った!

 ここは皆にココロちゃんのかっこいい姿を見せるべきでは!?


「着替えないの?」

「いや、今配信中だからちょっとな……」

「着替えたらチャンネル登録者数増えるかも!」

「それでもなぁ、やっぱり恥ずかしいっていうか」


 じゃあ、配信が終わってからだね。


・『見たいなー!』

・『青メッシュちゃんがその装備身に着けた所見たいなー』

・『ぶっちゃけ着替えだけ見たい』


 あっ! でも皆興味あるみたい。


「着替えないぞ?」


・『残念……』

・『ちょっと不機嫌な表情も可愛いね』


「か、かわいいって……」


 おお! 珍しくココロちゃんが照れてるよ!

 これはチャンネル登録者数増えるね!


 あ、そうだ! ソラちゃんにお礼言ってなかった!


「カメラマンやってくれて、ありがとう!」

「いえいえ! むしろ、代わりに戦ってくれてありがとうございます!」

「いやいや! こっちこそ、ごめんね? 危険な目に合わせちゃって」


 助けが来なかったら、ソラちゃんが痛い思いをしていたかもしれない。


「私がちょっと危機感無かっただけかもしれません! それに、結果的に無傷で済みましたからね! 助っ人さんにも助けられちゃいました」


 そういえば、ソラちゃんを助けたあの人は何者なんだろう?


「ミラクルちゃんのこと助けたのって、ミラクルちゃんの知り合い?」

「いえ、知り合いではありません」


 知り合いじゃないのかぁ。

 じゃあ、本当に誰!?


 見た感じ、身長は私より少し高いくらいだったから、中高生なのかな?


・『リスナーの中で知ってる奴いるか?』

・『顔が見えないんでなんとも』

・『ただ、動きからしてベテランっぽかったな』

・『舌打ちっぽいの聞いた感じだと、女性っぽかったな』


 皆詳しくは分からないみたいだね。

 とりあえず、今日の所はこれで配信を終わりにしよう。


 私達は皆に挨拶をして、初配信を無事に終了させたのだった。



「皆、お疲れ様!」

「お疲れ! 初めてしてはよくやったと自分でも思うぜ!」


 ココロちゃんは周りに誰もいないことを確認して、着替える。


「どうだ! かっこいいか?」

「かっこいい!」


 ココロちゃんは刀を手に持って、かっこよくポーズを決めた。


 思った通り似合うね!

 ココロちゃんのスキルは【剣聖】だし、相性バッチリ!


「じゃあ、とりあえずダンジョンから出ましょうか!」

「そうだね!」


 私達はダンジョンの外へ出る。

 すると。


「おい」


 腕を組んだ女の子がいた。

 壁に背をかけて、腕を組んで下を向いている。


 かっこつけてるのかな? でも、かっこいいね!


 そして、黒いマントを羽織っている。

 クールな雰囲気をかもし出しているね。


 黒いマント……そういえば、馬の頭を被っていた人も黒いマントを羽織っていた気がする。


「お前ら……」

「もしかして、私を助けてくれた人ですか!?」


 黒マントの子が話し終わる前に、ソラちゃんが口を開いた。


「そ、そうだが」

「おお! ありがとうございます! ありがとうございます!」


 ソラちゃん、お礼を言えて嬉しそう。

 私もお礼を言おう。


「私の友達を助けてくれてありがとうございます!」

「ありがとうございます!」


 ココロちゃんもお礼を言った。

 それにしても、この人、親切な人だなぁ。


「そうか……それよりもだ、こっちこそ、ありがとな」

「へ?」

「楽しませてくれた礼だ」


 どういうことだろう?


「私の社畜生活に彩を与えてくれた」


 えーと、社畜……ってなに?

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