3.白衣の女の子

 魔法少女、それを聞いてなにをイメージする?

 私は、派手な姿に変身した女の子の姿を思い浮かべた。


 プ〇キュア的な?


 それなのに、今の私はドラゴンだった……。

 魔法少女とは?


「いやぁ! 本当にありがとうございました!」

「ごめんな、私、なにもできなくて」


 ココロちゃんは白衣の女の子に、頭を下げた。

 すると、その子はそんなココロちゃんを見て、言う。


「いえいえ! 最初にゴーレムに勇気を持って斬りかかってくれましたよね! 本当に助かりましたよ! お2人共、本当にありがとうございます!」


 白衣の女の子は私とココロちゃんに感謝の言葉を送り、頭を下げた。

 それにしても、私含めて皆無事で良かった!


「それにしても……なんですか!? あなたのさっきの姿は!! 魔法少女って言ってましたけど、あのような魔法少女は初めて見ました!」


 驚いているみたいだけど、私の方が驚きだ。

 それに、変身解除している今は普通に喋れているけど、ずっとあのままだったらどうしようって少し不安でもあった。


「私もよく分からないんだよね。あはは……」

「そうなんですか!? って、そうですよね。ごめんなさい! それにしても、本当に珍しいです! 私のチャンネルとコラボして欲しいくらいですよ!」

「チャンネルとコラボ……?」


 チャンネル……この子の能力のことかな?

 コラボってことは一緒にダンジョン探索しようってこと?


「ダンジョン探索のこと?」

「あ、それもあるんですけど、私配信者でして!」


 あ! なるほど! 私の詳しくない分野だ。


「ごめん、そういうのあんまり詳しくないからさ」

「あっ! いいんですよ! コラボってのは半分冗談です、すみません」

「謝らなくてもいいよ! お手伝いだったらできるかもしれないからね!」


 それにコラボするのも、楽しいかもしれない。

 そもそも私、配信自体したことないけど。


「いいんですか!? いやー! 実は私チャンネル登録者数が11人でしてね……。チャンネル登録っていうのは、お気に入り登録みたいなものでして、それが11人ってかなり悲惨なんですよ」


 私がそういうのに詳しくないと知って、詳しく説明してくれた。


「そうなの!? 11人って凄くない!?」

「いやいや……私約1年前からやってるんですけど、それでこの数字なんですよ?」

「でも、11人が気に入ってくれてるってことなんだよね!?」


 私はココロちゃん以外とは軽い挨拶くらいしかしないから、11人と交流があるなんて凄い!

 でも、気に入られるのも分かるな。


 ダンジョンにいるってことは、13歳以上だろうけど、見た感じ小学生みたいで凄くかわいいし!

 しかも、パッチリお目目とツインテールも凄く似合ってる!


 ツインテールを黄色の大きいリボンで結んでいる所とかも、アニメのキャラみたいでおしゃれだ。


「とにかく、よろしくね! 私の名前は龍崎ルカ! 中学2年生!」

「私は御剣心だ。よろしくな! ルカとは同じ学校の同じ学年だ」


 私とココロちゃんが軽く自己紹介をすると、向こうも軽くお辞儀しながら自己紹介をしてくれる。


「おお! 同学年ですね!? 私、大空中学の2年生で、吉村ヨシムラ 宇宙ソラって言います!」


 ソラちゃんって言うんだ!

 っていうか、大空中学って私達と同じじゃん!

 違うクラスの子だったんだね。


「よろしく、ソラちゃん!」

「し、下の名前ですか!?」

「駄目だった?」

「いえいえいえ! 嬉しいです!!」


 そして、ココロちゃんが言う。


「じゃあ私もソラって呼ぶかな! そっちも気軽にココロって呼んでくれ!」

「そ、そうですか!? で、では! ココロさん、よろしくお願いします!」

「おいおい、敬語じゃなくてもいいんだぜ?」

「いえいえ! これが私ですので!」

「おっ! こだわりがあるんだな! 私と同じだな!」

「そうなんですか? 自分で言うのもなんですが、私は、結構なオタクですからね! 好きなキャラの口調を真似していましたら、癖になっちゃいました!」


 ってことは、2人共、似た者同士だね。


「私達気が合うかもな! よしっ! 今から遊……作戦会議だ!」

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