悪役令嬢の乗っ取り

第4話 魔女との出会い

ライバルの暗殺も考えていた時、エレイナは奇妙な話を耳にする。

「なんとも、魔女の魂を食べれば、願いが叶うって…」

「おいおいお前、それマジかよ？」

「ああ、なんでも魔女の森にその方法があるらしいぜ」

エレイナは怪しげな話を聞いて、眉を寄せて考える。

（魔女の森か……）

エレイナはその森について調べると、その森は、危険な場所として近づかないように言われている森だった。

「へぇ、そんな所があったんだ？」

エレイナは興味深そうにつぶやく。

「まあ、いいわ。どうせ行くつもりだったし」

エレイナは夜中にこっそりと、その場所へと向かった。

「ここが、そうなのね……」

エレイナは、真夜中の暗い森の中を進んでいく。しばらく歩いて回っても魔女と思えるようなものは見当たらなかった。

あきらめて帰ろうとしたとき、猫の泣き声が聞こえた。

「にゃーん」

鳴き声のした方を見ると、そこには一匹の黒猫がいた。

「あら、かわいいじゃない」

「にゃ～…」

その猫は独特な毛色をしていた。紫色なのだ。エレイナは近づいてきた猫を抱き上げる。

「こんばんは、ねこさん。こんな夜に一人でどうしました？」

エレイナは猫をかわいがる。

「にゃ～！」

「うん、なになに～、さみしかったのぉ？」

「にゃーん♪」

「うふふ♪」

エレイナは適当なことを言う。しかし。

「ちがうにゃ、久々の人間のメスが来たから、お腹がすいたし食べようかなぁって」

「へ？」

「ブレアお腹すいたから、キミを食べるね」

すると、エレイナの腕の中の猫が飛び掛かってきたのだ！！

「ひぃぎゃぁああああああああああああ！？」

ネコは黒い霧状になってエレイナを包む。

グチャッ…… ゴリッ…… ボリ……

肉と骨が断たれる音が響き、黒い霧状はやがておさまり、一匹の猫がポツンと座っている。

「ㇰ…ぁ…ぁぁ……」

猫の体がメキメキと音を立てて大きくなる。その猫のカラダは変化してやがて人の姿になる。

先ほどの猫の毛色をした紫色の長い髪をした二十代くらいの美女だ。瞳は黄色い瞳をしていて、頭には猫耳を生やしている。

その姿はエレイナと姿が似ている。髪の色が違うのと、猫耳が生えているのと、少し妖艶な感じがエレイナとは違う点だ。

「ふぅぁぁ……ごちそうさま。なかなかいい味だった。」

ブレアは腰から生えた猫のしっぽを振る。すると、そこにもう一人の魔女がやってくる。その魔女は緑色の髪をした女性だ。

「あら？ブレアちゃん。どうしたの？人間の姿になっちゃって」

「こいつ、なかなかの魔力の持ち主だからただ栄養にするのは惜しいなって。だからブレアのカラダにしたの」

「へぇ～。これから人の街に行くんだけど、ブレアはどうするの？」

「そうだなぁ、せっかく人の姿になったんだから、行ってみるのもいいかも！」