第190話 旅望 -砂糖菓子1-

翌朝。

すっかり、僕のベッドで一緒に寝ている明花を起こさないように起き上がる。

今日は、走り込み話で筋トレだけしておこうかな。

僕は、床で腹筋と腕立てだけはしておく。

やがて、視線を感じた。

ベッドに視線を向けると、明花が目をパッチリ開けて僕を見ていた。


「あ、気付かれちゃった」

「おはよう、明花」

「おはよう、尚弥」


僕は、朝のメニューを終わらせた。

うーん、シャワーは浴びたいかな。


「僕は、シャワー浴びてくるね」

「はーい、私着替えてくるね」


僕は、自室のシャワー室に向かう。

ちょっと熱めのシャワーを浴びる。

気持ちいい。

僕は、シャワーを浴びてパンツだけ履いて自室に戻る。


「あ」


明花が、制服を着て戻ってきていた。

そして、僕はパンイチ…。

彼女は、顔を隠そうと…せずにガン見していた。


「うんうん、やっぱり尚弥はいい筋肉してるね」

「え?もしかして、明花って筋肉フェチ?」

「あ!そうかも、でもマッスルなのはちょっと…尚弥位…尚弥がいいの」


明花は、頬を赤くして言っていた。

それでも、僕の身体を見ることを止めない。

とりあえず、制服に着替えよう。


「あー、もったいない」


肌着を着て、ワイシャツを着ると彼女はそう漏らした。

こんなに好かれているのは流石に嬉しいけど、複雑な気分だ。

僕は、ズボンを履く。

上着は、出掛ける直前でいいな。


「でも、ワイシャツの襟から見える鎖骨と喉仏もいいよね」


明花の目が怖い。

涎が口元から垂れてきていて、ちょっとだらしない。

食料と同じように見えているのだろうか。


「えっと、明花?」

「あ、ごめん。尚弥の裸初めて見たからドキドキしちゃった。

うん、眼福眼福」

「恥ずかしいけど、別に明花が見たいなら見せないことはないけど」

「ホント!じゃあ、帰ってきたら…うふふ」


もう、彼女の事を肉食獣にしか思えなくなりそうだ。

軽はずみなこと言ってしまったかな。

僕は、部屋を出てキッチンへと向かう。

朝食も弁当も作らなきゃな。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る