第128話 遊山 -リビング2-

明花は自室の準備をしに部屋へと向かった。

僕は、冷蔵庫の整理をしていた。

無造作に、ビニール袋に入れた状態だったからだ。

お互いに買って来たものは、あまり被っている物はなかった。

炊飯器の中には、まだカオマンガイが残っている。

あと1食分としては計算できるだろう。

明日の昼用に弁当に…あ、弁当か準備しとこうかな。

夕飯の残りが結構あるからそれを詰めたり新しい物を作ろうかな。

人参のグラッセやブロッコリーもあるし…あれ?小さいハンバーグもあるな。

明花って、こんなものも作っていたのか。


「あ!それお弁当用だから今食べちゃダメだよ」

「いやいや、食べないよ…ああ、やっぱりお弁当考えてたのか」

「うん、明日必要だと思ってたから」


明花は、キッチンへとやってきてそう言いながら僕に何かを手渡してきた。

よく見ると、弁当箱だった。


「えっと、私とお揃いなの。えへへ」

「お揃いがいっぱいだね…でも、学校でもお揃いでいいの?」

「うん、その方が助かる…」


そう言えば、そうだったな。

でも、明花はどんな風に伝わっていたのだろう。

気にはなるけどなぁ。


「ねぇねぇ、尚弥」

「ん?なに?」

「前に行っていた旅の話聞きたいなぁ」

「いいけど、長い話になるけど」

「うん、大丈夫。だって、今晩は一緒だもん」


確かに、そうだよな。

えっと、どこから話そうかな。


「どこからの話が聞きたい?」

「えっと、じゃあ私達と同じ京都を出てからのお話がいい」

「京都…を出てからか」


僕は、冷蔵庫に入っている1Lの紙パックのブラックコーヒーをコップに注ぐ。

それに続いて、明花も1Lの紙パックのストレートティーをコップに注ぐ。

そして、リビングのソファへと向かった。


------------------

次回から、遂に追憶編スタートです。

お待たせしました。

被災の関係で先延ばしにしてましたが、再開します。



♡いいねや☆をお願いします。

天風のやる気に繋がります。

最近PVの割にランキングが低迷してます。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る