第41話 旅愁2 -四万十-
翌日の8月5日は、高知から四万十市に向けて走った。
四万十川の下流になるね。
ただ、ここも山岳が多い地域でゆっくりできるところは少なかった。
距離にして110km。
前日を温泉にしたのは、これに挑むためだったんじゃないかと思ったほどだ。
この日も、キャンプになった。
浮津キャンプ場。
近くに海水浴場もあるキャンプ場だった。
前もって、久瀬原さんが予約をしていたみたいで随分と賑わっている所だったけれど宿泊で来た。
その日は、久瀬原さんに習いながら設営を学んだ。
どうしやったら効率よく出来るか、より詳しく実践を詰めた。
「尚弥、明日は足摺岬へ向かうからな」
「あしずり?」
「四国の南西の岬だな。
ここから、そこまで離れていないが充分気を付けてな」
四国最南端の岬で黒潮本流がぶつかる唯一の場所。
だから、流れが急だから気を付けろって意味だったみたい。
だから、まあ身投げのスポットになってるらしいからそれについても気を付けろって意味だったみたい。
◇
「ねえ、尚弥くん。
自転車って壊れたりしなかったの?」
「えっとね、久瀬原さんと一緒の時は彼が直してくれたよ。
でも、自分でもできる様にならなきゃと思ってやり方も教わった。
幸い、フレームは大丈夫だったから部品だけでなんとか済んだけどね」
「そうなんだ、つくづく久瀬原さんってすごいね」
ホント凄い人に出会ったものだと思う。
出会いの運に恵まれていたとしか思えない。
「四国もあと少しで終わり?」
「そうだね、後4日くらいから」
僕は、話の続きを未桜に聞いてもらうことにした。
四国の旅も半分を超えていた。
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