第2章 復讐

第18話 復讐 -証拠-

「でさ、新藤。

これがあれば前嶋を退学にはできるはずだ」


「うーん、証拠としては提出してもいいけど・・・」


「いや、それだけでも充分だ。

元ファイルはグループに置いておくから」


証拠が奪われたとしても全員が共有出来ているってことだろう。


安全なところって意味では安全なんだろうな。


僕は、ふとスマホの時計に視線を移す。


もうすぐ、16時が近づいていた。


今日は一度ファミレスへ寄って帰ろうかと思っていたからそろそろ帰らないとな。


「あ、もうこんな時間だからそろそろ僕帰らなきゃ」


「あ、じゃあ私も帰るよ」


僕が、そう言うと隣にいた未桜も立ち上がった。


彼女は、僕と一緒に帰ってくれるようだ。


「おう、新藤。お疲れ、週明けにまたな」


「新藤くん、未桜ちゃん。またね」


「みんな、またね」


僕は、テーブルの上に1万円を置いてルームを出ようとした。


「新藤、多いんだけど」


「ん?未桜の分と合わせてそんなもんだろ?」


「尚弥くん、私のまで出さなくていいんだよ」


一緒に帰るならちょうど僕が出せばいい気がするんだけど。


今までだって・・・。


僕は、頭を横に振った。


「あー、新藤。とりあえず、これで預かっとくは。

篠田さんから個人的におつり貰ってくれ」


そう男子の一人が言うと手を振っていた。


僕は、未桜の手を引いてカラオケルームを出た。


「未桜は、夕飯は?」


「今日は、親の帰りが遅いから外食の予定だけど」


「じゃあ、ファミレス寄らない?」


「え、え?いいの?」


「うん、もうちょっと未桜と居たい気がするから」


未桜の顔は、みるみる赤くなっていった。


僕もまた照れくさくなった。


それから、僕らはバイト先のファミレスへと向かった。

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