カドカワさん大成功です!

土岐三郎頼芸(ときさぶろうよりのり)

第1話 黒船襲来と自由化

 カドカワさん大成功です!


 ワタシはここ数日人生で一番短歌や俳句を鑑賞しております。見れば納得のこの成果。WEB小説サイト、このカクヨムでの短歌や俳句のコンテスト。非常に敷居が低く誰でも参加できます。


 自分も含め、今までそちらに手を出してこなかった作者の方々での参加者も多数見られます。玉石混交なれど、とんでもない傑作も見られました。いや、もう本当にすごい! 


 短歌や俳句を詠む人、読む人、つまり愛好家の裾野を広げるのに非常に効果的な作戦で、すでに充分に貢献を果たしたと言って良いでしょう。


 しかしながら、これは歌壇や俳壇にとっては、黒船です。今まで結社や協会といった歌壇、俳壇の狭い世界で守られてきた、歌人や俳人の皆さんのこれまで築いてきた権威や基準は、新しい愛好者の間では簡単には通じません。


 短歌や俳句もWEB小説同様に不特定多数の作者が参入して、かつ不特定多数の目に公開される時代となりました。しかも無料で!


 今回のコンテストはまさしく黒船による開国自由化です。敷居の高さで今まで歌壇や俳壇に参加してこなかった隠れた才能のあるWEB 歌人やWEB俳人が現れました。


 今後、既存の歌壇や俳壇の皆さんは新たなる「野生の」WEB歌人・俳人と比べられることになります。短歌も俳句も小説以上にバーンと比べやすいですからすごいプレッシャーになると思います。


 そんな中で既存の歌壇や俳壇、そしてプロの価値ってどうなっていくのでしょう。WEB歌人・俳人を捩じ伏せるような圧倒的な作品を見せつけてくれるのか、それとも競い合い切磋琢磨していくのか、没交渉で孤高を保ち内に籠ってしまいガラパゴス化していくのか。


 さらに今後、評価するのは最早古い権威だけではありません。膨大な不特定多数の読者も評価する側に回るのです。今後、WEB短歌や俳句の方が紙の世界より読者が多くなる可能性が高いでしょう。これは完全なパラダイムシフトです。


 加えて言うなら古い権威の評価そのものも一般読者の声で評価されてしまうでしょう。なんでそっちの方が評価が高いの?と。


 ということで今回の第1回カクヨム短歌・俳句コンテストによって、カドカワグループは短歌・俳句についての新たなるフィールドと主催者としての権威、そしてこの業界における相当な政治力までも手に入れたのではないかと考察します。


 今、わたしたちは短歌・俳句の世界の歴史的変換点に立ち会い、あるいは目撃、あるいは参加しているのだと断言できます。


 今後何が起こるのか注目しましょう。

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