異世界で百合百合行為したらレベルアップして最強な件~ただし主人公はノンケである~

ミレニあん

第1話 異世界転移されちゃった

 いきなりだけど私は異世界転移された。


 どういう事かというと、普段通り高校に向かおうとしたら足元に魔法陣が現れて、その魔法陣に吸い込まれるように全身が消えてしまったのだ。

 その瞬間「あっ、これ異世界転移やん」と思ったものだ。


 そのままWEB小説よろしくお城に召喚されて、スキルが無能すぎて追放されるかなぁって思っていたら、私の目の前が真っ白な空間になった。

 さらにその空間には、ちょっと薄い布を巻いた幼女が1人いる。


穂波怜ほなみれい、そなたは異世界転移をされた。今はその異世界まで向かう途中じゃ」


 わおっ、結構可愛いな。


 ああでも、私は至ってノンケだよ。

 イケメン俳優に憧れたりするし、何ならジャニーズのライブにも行っているしね。


「はぁ、まぁそうっすね」


「むっ、あんまり驚かないもんなんじゃな。まぁ、近頃の若いもんは異世界もの知っているから仕方ないかのう」


「おっしゃる通りで。それよりもあなた女神さんでしょ? ここにいるって事はスキルとかもらえる展開?」


「先に話を進ませるではない!! わらわから言おうと思ったのに、雰囲気台無しではないか!!」


「そうおっしゃられても」


 だってこの展開、「スキルをあげますよ」的な奴じゃん。

 で、そのスキルが他を圧倒するチートで、それで強敵の魔王を倒したり可愛い女の子のハーレムを築いたりするんでしょ?


 でも私はノンケだしなぁ。

 魔王を倒すのはともかく、女の子のハーレムは別にいいかな。


「よいか。そなたに与えるスキルは……」


「はい」


「テレレレレレレレ……デン!! この『美少女魅了』『性技上手』、そして『百合百合レベルアップ』じゃ!!」


「ハッ?」


 女神さんがバラエティー番組の効果音を呟いたかと思いきや、私の目の前に文字が書かれたウィンドウが表示された。


 で、このスキル何や?

 女神さんの悪ふざけか?


「これさえあれば魔王も魔龍もイチコロ! まさに最強のスキルじゃ!! 効果については使ってからのお楽しみって事で!!」」


「いやいや女神さん、何このスキル? ていうか百合って、私ノンケなんですけど」


「ハッハッハ、そんなの慣れじゃ慣れ。それにお主は綺麗な顔立ちの故、特に問題はないと思うのじゃが」


「全くもって大アリですがな」


「とにかくこのスキルで異世界ライフを楽しむがよい!! では健闘を祈るのじゃ!!」


「ちょっ、おまっ」


 結局、女神さんにさえぎられたまま異世界転移されてしまった。


 やがて私の目の前には白い空間じゃなく、いかにも王室ですよと言わんばかりの部屋が広がった。

 王様と多数の兵士、お姫様らしき人の姿も見える。


「王、召喚に成功しました」


「うむ……むっ、女子おなご? それにセレナと同年代とな……どう思う我が娘よ?」


「どうとおっしゃられても……召喚に失敗としか」


 おー、お姫様めっちゃベッピンさんじゃないか。


 色素の薄い肌にふわふわした金色の長い髪、くりくりとした大きくて丸い目、まるで人形のように可愛らしい。

 着ているドレスも華やかで、まさにお姫様って感じだ。


 こういうの男子に大ウケだろうなぁ。

 私もちょっと惚れちゃったりするけど、生憎ノンケですしおすし。



≪『美少女魅了』発動します≫



 すると脳内にナレーションっぽい声が響いた。

 今発動するの? そもそも『美少女魅了』って一体何……、


「う、美しい!! なんて麗しい方なの!! これはベッドに行くしか……お父様失礼します!!」


「ハッ!? おいセレナ!!」


「心配いりません、悪いようにしません!! さぁ異世界のお方、こちらです!! 早く参りましょう!!」


「えっ、ちょっ」


『一体何だろうか』と地の文で言おうとした時だった。

 乱心したお姫様に連れられて、王室から出る羽目になったのだ。


 もしかして『美少女魅了』って、文字通り美少女を魅了させるスキルなのか?


 だったらブサイクはどうなるんだろう……なんて思っている内に、このお姫様の部屋へと連れ込まれた。

 ご丁寧にこの人、鍵をかけてらっしゃる。


「あのー」


「突然申し訳ありません。私はナーロッパ共和国王女セレナ・セーナ。あなた様のお名前は?」


「穂波怜ですけど」


「ではレイ様……私の事はセレナと呼んで下さい。そしてこの身体を自由にして下さい」


「いやあの私、ノンケなんですけど」


 と弁明した私だけど、セレナさんが私の手を引っ張りながらベッドに座り込んだ。

 同じように座った私へと近付いて……あっ、かなり良い香り。まるでバラみたいだ。


「ノンケでもご心配いりません。私、あなた様の為なら貞操の1つや2つ捧げても構わないと思っておりますので」


「いや、貞操は物じゃないから。せめてソレは大切にしないと」


「はぁ……レイ様の茶色の長髪……切れ長の瞳……薄いピンク色の唇……全てが愛おしいです。淑女同士ですが……どうか私めを……」


 何とセレナさん、私の手を自分のオッパイへと押し当てたのだ。

 

 うぉん、柔らけー。

 ていうか私よりも断然大きい。Eくらいはあるんじゃね?


 でも悲しいかな。さすがに彼女とヤリたいとは思えないのよ。


 いや、彼女はすごく可愛いよ?

 こんなにも綺麗でスタイルの良い子なんか学校に少なかったし、もし私にそっちの趣味があったら迷わずヤッていただろうし。


 だが私はノンケだ。中々食指が動かない。

 なのでここは丁重にお断りしよう……と思っていたら、また脳内に声が響いてきた。



≪『性技上手』発動します≫



「あ、ああん! これは一体……レイ様のお手がすごい……!」


「えっ?」


 私、ただ胸を触っているだけですよ? 

 何で喘ぎ声を出すのん?


 とりあえず胸から離そうと手を動かすと、


「んん……! て、手の擦れが……き、気持ちいいですレイ様……!」


「いや、これは胸から離そうとして……」


「もう我慢できません……レイ様……んぅ」


 するとどうでしょう。

 セレナさんが私に対してキスをしてきたのだ。


 ファーストキス奪われたでござる。

 しかもセレナさんの唇が柔らかくて、少しトロンとしてしまっている自分がいた。


「レイ様……もっと……もっとぉ……あぁん……」


 そうして気付けば、私はセレナさんにリードされる形で一線を超えてしまった。

 

 まさかこんな形で処女卒業とは。

 さよなら、私のノンケよ。君の事は永劫忘れる事はないだろう。







≪『百合百合レベルアップ』発動します≫


≪レベルが10000アップしました≫


≪身体能力・攻撃力・防御力・魔法力がめちゃくちゃアップしました≫



「ハッ?」


 セレナさんと裸になってベッドに横たわっていた時、またもや例のナレーションが。

 私、何かしちゃったのか?

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