パパとママの思い

翌朝

世の中にはこのような結果に動揺する者、あるいは泣き崩れる者だっているかもしれないが、喜びを示す人の方がきっと多いはずだ。

できることならば、誰もがそうであって欲しい。


「私のお腹に来てくれてありがとう」


決して動揺しなかったわけではないが、いつかは願った第二子をこんなにも早く授かれた喜びに目を閉じ、心で感じ、里美は下腹部に手を当てて思う。

再び、自身の身体に子を宿していることを知った里美。

亮二を出産してから母乳育児をしていることもあり、栄養は母乳として吸い取られるおかげで里美の食欲はかなり旺盛だ。


が、以前から小柄な身体のサイズの割によく食べる方だったため更によく食べている印象である。

最近裸になるとポッコリとお腹が出ていると感じることもあり、ただの食べ過ぎだと思っていたが、それも妊娠によるものなのだろうか。

部屋の姿見の前に立ち横向きになり、パジャマをまくってお腹を見る。

「お腹出てるわよね。病院も予約取らなきゃな…赤ちゃん、ここにいるのね。元気に大きくなるんだよ。」


産後一ヶ月を越えた頃から修二との子どもができるような行為は確かにあったが、正直言うと心の葛藤が付きまとう。

最近は産後の育児にもだいぶ慣れ、里美の体調も落ち着きを見せてきたことで夫婦の営みが増えてきた矢先での発覚。

今すぐ次の子の妊娠を希望していたわけでもなく、しかし避妊をしっかりしていたわけでもない状況であり、いつのタイミングでできた子なのかわからないのが正直なところ。

亮二とは恐らく年子になること、妊娠中の体調のこと、仕事のこと、今後の気掛かりは多い。

里美が把握している範囲では中に出したことはなかったはずだが、最初から最後までしっかりと避妊していたかどうか問われれば自信を持って答えることはできなかった。


それから産後の生理は一度だけ、それも薬で無理矢理起こしたようなものだったし、まだ産後間もないこともあり自分の身体について不安もあった。

修二への報告はどうしようか。


「検査薬で陽性だったことだけ先に言うか。」


次の子も欲しがってはいたが、こんな早い妊娠は修二だってきっと予想外だろう。

このタイミングで授かったことに喜んでくれるだろうか。

何せ手のかかる子どもがもう一人増えるのだ。

だが、前回の妊娠状況を振り返ると里美はどうしても周囲に迷惑をかける事に対して不安があった。

周囲の人々に気を遣わせたくない。

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