第56話 拒絶の検証

 私達はあれから色々と話し合った。


 先ずはお兄様に何が起こるのかを調べる為に、マグノリアをマルグリット共和国へ戻らせる事にした。


 お祖母様に私の未来に起こる事を報告をしてもらい、その上でお兄様の様子を調べてもらう事にしたの。お祖母様なら【樹】を使ってお兄様を調べる事が出来るからね。


 次に私の護衛について何だけど、これは心配はしてないかな?だって、〘武神〙デッカートと〘爆炎〙オドレイ姉様が常に傍に居てくれるからね。姉様の感知を掻い潜って近付く事は流石のお兄様にも無理だし、もし近付けたとしてもデッカートが私の傍に居てくれるので絶対に守ってくれる。


 そして、マルグリット共和国とリュミエール王国の争いについては平行線のままなの。

 これはレンドルド王国が参戦してこないと、リュミエール王国の戦力ではマルグリット共和国を押し切れないからなの。レンドルド王国はデッカートの力で打開するつもりだったから、打つ手がないので動けないらしい。


 私は今起こってる争いを〚拒絶〛を使って止める事が出来ないか考えて、姉様と〚拒絶〛の効果を検証したけど無理だった。


 ペンドルトン聖教国の町中で毎日喧嘩をする2人で〚拒絶〛の効果を検証したの。


「私は、2人の喧嘩を〚拒絶〛する」


 2人の喧嘩は止まったんだけど、次の日になると2人はいつも通りに喧嘩してた。その瞬間の喧嘩を止める事は出来たけど、止めた事で〚拒絶〛の効果は終了するのみたい。

 次の検証を姉様が提案してきたので、言われた通りにしてみた。


「毎日ってワードを入れてみて」

「私は2人が毎日喧嘩する事を〚拒絶〛する」


 すると、以前に私の左手を治した時と同じように説明があった。


〘不確定な事象を拒絶する事は不可能です〙


「姉様、毎日だと不確定だから無理みたい」

「毎日だと不確定になるのね、永久ならどうかしら?」


 毎日だと期限が判らないから、期限のない永久で試してみる。


「私は、2人が永久に喧嘩する事を〚拒絶〛する」

〘拒絶で行える範疇を超えてる為不可能〙


「範疇を超えてみたい……」

「明確な期限を設けないとダメなのね」


 私と姉様はこの後も〘拒絶〙の色々な条件で検証を続けたの。

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