第26話 夢心地
領地で静養を始めて1ヶ月が経ったの。
私は両親や兄姉に甘やかされっ放しで、夢心地で毎日を過ごしてたの♪
姉様と領地内を散歩してると、領民が私を見掛けると殆どの人が声を掛けてくるの。特にお年寄りの領民は涙を浮かべるほどなの(汗)
「姫様が戻ってこられた(泣)」
「姫様の生まれ変わりだ(泣)」
姫様って言うのは、私のもう一人のお祖母様のサツキお祖母様の事なの。昔からよく言われた事なので驚く事はないけど、今でも領民に愛されてる事に驚いたの。
「わぁ〜、物語のお姫様みたい〜♪」
「そう、あれが物語のサツキ姫なのね♪」
女の子達は領地で語らてる物語りの主人公が現れたと思って目を輝かせてた。
「サツキお祖母様って凄い人気だったのね!」
「そうね、本当に素敵な方で誰もが憧れる女性だったもの。」
「そうなんだね、会ってみたかったな♪」
散歩から戻るとお兄様が、両手を広げで出迎えてくれたの。私は駆け寄って思い切り抱きついたの!
「お兄様〜♪ただいま〜♪」
「おっと!おかえり♪」
お兄様が私を受け止めて、グルリと一回転した後にキスを交わしたの。
「散歩は楽しめた?」
「うん、領民も良い人ばかりだったよ♪」
「王都と違って時間の流れがゆっくりで、心にもゆとりを感じるね。」
「うん、卒業したらここで暮らしたいもん♪」
「今の言葉を聞いてら領民が喜ぶよ♪」
私はお兄様に、お姫様抱っこの状態で部屋まで運んでもらって、2人で湯浴みしてから一糸纏わずにベッドで昼寝をしたの。普段なら注意されるけど、静養中なので許されてるの。
この時間が続けば良いのになぁ〜
➖➖➖領地邸宅執事視点➖➖➖
サツキお嬢様が静養される事になり、領地邸宅へ来られた時にお姿を見て驚いた…
私が敬愛するサツキ大奥様だったのです。旦那様から似ているとは聞いてましたが、大奥様がマルグリット侯爵家へ嫁いで来られた日に、時間が遡ったのかと思う程だ。
大奥様を知るメイド達も、お嬢様のお姿を見て涙を流す者が居た。
間違いなく大奥様の生まれ変わりだ。再び大奥様にお使え出来る事に喜びを隠せない。
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