第15話 聖女の力
サーバインが退室すると少し気持ちが緩んだみたいで、左手の痛みが激しくなったの。
「痛っ…私の腕はどんな状態なの…?」
「完全に骨が粉砕してるから、完全に治す術がないって言うのが医者の診断結果ね…」
「そっか…〘拒絶〙で治してもいいのかな?」
「それは、お祖母様の魔力の回復を待ってからね。お祖母様の回復魔法で治った事にしないと、〘拒絶〙は表沙汰にしたくないからね。」
「この…痛みは、明日まで我慢しないと…駄目なのね(汗)」
「
「うん…姉様お願い。」
姉様の
➖➖➖医師団視点➖➖➖
サツキ様の左腕の状態を確認して、全員が絶句したのだった…
左手の肘から先は、皮膚で繋がってはいるが千切れているのと言ってもいい状態だ。筋肉と筋は完全に断絶していて、骨は粉々に粉砕されてるのだ治療の術はない…
肘から先の機能を取り戻すのは不可能。義手での不便な生活を余儀なくされる。
一縷の望みは王太后様の持つ【聖女の力】だが、お孫様であるサツキ様の為に、持てる魔力の全てを注がれれば、奇跡が起こるかも知れない。医者が奇跡に頼るなど言語道断かも知れないが、サツキ様の為に奇跡が起こる事を、私達は神に祈るのだった。
➖➖➖マーベル視点➖➖➖
私はサツキの事が心配で治癒室へ向かうと、サーバインが部屋から出てきたの。
「サーバイン、サツキに会えたの?具合はどうだったの?」
「あぁ、マーベルか、サツキの意識は戻ったよ。お祖母様の魔力が回復したら回復魔法で治すらしい…それと、サツキは今回の件を許してくれたよ…」
サーバインはその言葉と同時に泣き始めた。流石に今回は堪えたみたいで、サツキに会いたかったけど放って置けないので、一緒に治療棟から出て行こうしたら声が聞こえた。
「おい、サツキ様の医師団だよな?どうなんだよ。」
「あぁ、左手の肘から先は奇跡的に皮膚で繋がってた。筋肉と筋は完全に断絶していたよ。骨は粉々に粉砕されてたから元の状態には戻らないよ。恐らく義手での生活になると思う。一縷の望みは王太后様の持つ【聖女の力】だけだ。」
私とサーバインは絶句した…
サツキの腕は治らない…そんなの酷過ぎる…
隣のサーバインは泣き崩れてしまった。
「サーバイン、泣いている場合じゃないよ。お祖母様の【聖女の力】の奇跡が残ってる!私達には神に祈り捧げる事しか出来ない。直ぐに教会へ祈りを捧げに行こう!」
「うぐっ、判った。教会へ急ごう…」
私とサーバインはお祖母様の奇跡に一縷の望み託して、教会で祈りを捧げたの。
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