第8話 アントワーヌの嫉妬
魔物討伐から帰宅してから、アントお兄様の様子に違和感を感じたの…
お母様へ討伐報告を兼ねた夕食の時も、オド姉様が主に報告をする感じだったの、普段ならお兄様が報告するのに…何があったのかな?
夕食を済ませてから部屋に戻ってからも、私はお兄様の事が気になったので部屋向かったの
「ねぇお兄様、どこか具合でも悪いの?」
心配な表情で聞いてみると
「ううん、どこも悪くないよ…ただね、サツキの事で僕の知らないギフトの事実をオドレイが知っていたからね。僕はその事で少し妬いてるのかも知れないかな(苦笑)」
「あっ…お兄様…ごめんなさい…」
苦笑いをしながら返事に、私は胸が苦しくなって謝ると
「サツキは何も悪くないよ。僕は武術タイプだからさ、実際にその場に居てもオドレイみたいに直ぐには理解出来ないからね。お祖母様の考えは正しいと思う。誰にも得意分野があるからね」
お兄様は、判ってるけど納得は出来ない感じで気持ちを伝えてくれたの
私は間違いなく魔術タイプ。お兄様のギフトの事で家族で話がある場合は、私はその場には呼ばれる事は無いはず。きっと今回の様に後で知れば同じ様に嫉妬すると思ったの。
だって、この世で一番好きなお兄様の事で知らない事があるなんて思いたくないもん…
そう思った時『はっ』っと思った事が脳裏によぎったの。私が前世の記憶を持って、この世界に転生した事…恐らくお祖母様の解析にもこの事は判らないはず。
私はこの先ずっと、前世の記憶と転生の事を隠し続けるべきなのかと考えた。私を愛してくれてる家族に何も言わなくて良いのかと…
私は思った、お兄様に打ち明けようと、お兄様ならどうすれば良いか道を示してくれるんじゃないかと、お兄様なら特殊な私でも受け入れてくれと、悩みは吹っ切れた。
私は誰も知らない事実を伝える事にしたの
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます