まっさらな紙に弧を描くような、そんな話
茂 幸之
プロローグ
今でも、鮮明に覚えている。あの美しい音色を。
真っ青な空に大きな大きな放物線を描くように、高尚なエチュードが流れていた。春先だったこともあり、窓からは気持ちのいい息吹が吹き込んでいて、ベージュ色のカーテンが靡いている。
ずっと、あの姿を独り占めできたことを誇りに思っている。それと同時に、ちょっぴり後悔してしまっている。
幸せな感情と、後からやってくる苦い思い。それが、彼女との出会いだった。
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