応援コメント

13 風の往く末 」への応援コメント


  • 編集済

    少ししんみりとした、さわやかな最終話でした。最後の最後を締めくくる、早苗の文章がとてもよいからだと思いました。明るめの学園サスペンスということでしたが、私、結構はらはらして読んでいました。呪いの秘密を探ろうとする早苗に反感をもつ部員たちと、早苗が対立するところが。周囲から孤立して、吾郎とは最初からウマが合わないし、夢子とも仲違い。明るく描かれてなかったら、かなりシビアなお話になるのでは、と思いました。輝未に襲われるシーンなど、かなり暴力的に細かく描写されているのに、その後の二人の会話はユーモラスで、しかも尻叩きでお祓い? 私としては、千歳の口にした「曲の旋律や形式に不幸の要素」という推理が頭に残っていて、このことを軸にした謎解きがラストにくるか、などと思ったりしました。あ、今思いついたのですが、呪いの件については最後に吾郎がみんなに説明しているから、このお話は謎解きというわけではなく、やっぱり基本的に青春音楽譚なのですね。ああ、それにミステリーではなく、サスペンスだとあらすじに書かれていました。空色のワンピースの女性は謎のままでしたが、ファンタジーとしてそんなふうに余韻を残すのも、私は好きです。ともかく、ラストまで楽しく読ませていただきました。

    作者からの返信

    コメントならびにレビュー、ありがとうございます!

    元の版では、最終話はコンクールから帰って夕空を見上げているところで終わりでした。ただ、その形だと「呪いはこの後どうなるのか」が曖昧なままで、結局こういうことがこれからも楓谷で続いていくようにも見えます。一方、「風追歌」の怪しげな噂は近いうちにすべて払拭される見通しが立っているので、そうなれば正式な楽譜出版の話も持ち上がるだろうし、必然的に閉じられた田舎町でのローカル伝説なども、自然消滅の方向に向かうのでは、と思いました。とはいえ、そこらへんを細かく書いていくとエンディングの風情がなくなりますので 笑、出版楽譜の添付ブックレット中の一ページの形で、楓谷中学のその後と、事実上の"呪い"の終焉を暗示する文章を付け加えた次第です。
    つまりは、早苗のこの文章が最後に来たのは、妥協の産物だったのですが、ポジティブに受け止めていただけたのであればよかったです w。

    基本、本作は「深刻な話のようで、根っこはコメディ」というイメージで書いたつもりですが、部分的にはしゃれにならないサスペンス要素とか多少ぞくっとするスピリチュアル風味も入れてありますので、作者が抑え込んだつもりであっても、ことさらに不安感をあおる形になってしまっていたかも知れません。怪我の功名だったらよろしいのですが、はっきりいってそれは湾多の未熟さゆえのものだと思います ^^。こういう、「実は何も心配するようなものはなかった」というストーリーは恩田陸がよく書いていて、それを模倣したというわけでもないのですけれど、なかなか大作家のようにはいきませんね。

    なんだか書き手以上に深くストーリーに没入していただいたようで、ありがたい限りです。予定以上に中盤の追加部分が膨らんで、正直、全体のバランスなど、自分でもよくわからないままのところもあったりします。が、とりあえず今のところは、お楽しみいただいたとのお言葉に寄りかかる形で、完結の解放感にもう少しだけ浸らせていただこうかと。

    最後まで親身におつきあいいただき、ありがとうございました。

  • 古くから『学校の怪談』というジャンルがあるように、『学校』と『不思議な出来事』の相性は抜群ですね。そんな王道の設定をクオリティの高い描写で仕上げ、とても面白い作品だったと思います

    これからの作品も楽しみにさせていただきます

    作者からの返信

    コメント並びにレビュー、ありがとうございます。
    丁寧で隙のないミステリー作家の柏木さんからお褒めに預かり、面映ゆくもくすぐったい心持ちです w。
    最後のオチなどは、反則すれすれだという気もするのですけれども、まあ中学校の、それもみんなが好き勝手なことを言い交わしている大人数の部の中、おまけにコンクールという「去りゆく夏」を地で行くようなイベントに絡めての怪談話、合わせ技でなんとか体裁を取り繕えていただろうかとは思います。
    ほぼひと夏の間、お付き合いいただきましたこと、改めて御礼申し上げます。読んでもらえる当てがあるというのは嬉しいものです ^^。重ねてありがとうございました!

  •  楽しく読んで参りました(*^_^*)

     !?

     女の人の正体はホラーというところで見事に騙されました\(^o^)/

     ファンタジーとして捉えてもエイルは正体に気が付かなかっただろうとはと思いますけどね(^^ゞ

     エイルはこの終わり方は作品にとても似合っていると思います(*^_^*)音楽って協力することって素晴しいですね(*^_^*)


     でも奇跡が起こるほどなのなら、作曲家には愛して欲しいと思いました。伝え聞きなので想像範囲を超えないから、正確な心情は不明とはいえ、精魂込めたからこその奇跡であって欲しいかったです。

     例えばこの曲はどんなプロでも演奏するレベルに達してないから世に出さない!!と素晴しい曲を世に出すべきだ!!という親子喧嘩による確執と、呪いという伝承。そこにこの正体ならエイルは即レビューを書いたと思います。

     普段ならこれほどの完成度が高い長編作品へ、どうこう言える立場でもエイルはないし、そもそも書ける実力ありません(^^ゞなにより『風追歌の夏』という作品そのものがとても面白い事は事実です。

     だからこそもったいないと思い、ついつい下手な意見を書いてしまいました事をご容赦下さい。

    作者からの返信

    最終話まで興味深いコメントをありがとうございます。
    少なくとも外してはいないよ、ということのようで、ひとまず安心しました w。

    >奇跡が起こるほどなのなら、作曲家には愛して欲しいと思いました。

    なるほど、と思いました。ファンタジー的な裏打ちを考えるのであれば、それも分かります。ただ、別に津見倉さんはあの曲を愛していないわけではないんですよ。ある意味、愛しているからこそ、勝手に持ち出されて怒った、という見方もできるわけで。いやまあ、「そういう見方もできる」という話ではありますが。

    吹奏楽にやや屈折した思いを抱えつつも、書き出したらなんだかスゴい響きの音楽を作ってしまった。その時、作曲家の胸の裡にあったのは何だったのか――みたいなエピソードも、入れようと思えば入れられたんですけれど、ちょっと冗長かなと思ったんで、そこは察してくださいということで失礼しました。などと申し上げる一方で、作り手の愛着とか意欲なんかに関係なく、傑作が出来てしまうことってありますしねー。それを言うと身もフタもなくなるんですが 笑。

    まあ、本作も晒しているうちに定期的に手は入れていくと思いますので、コメントは貴重なご意見として、この後も再考の糧とさせていたただきます。「完成度が高い」とのお言葉、まことに恐縮です。よろしければ次の「あとがき」まで、よろしくお付き合いくださいますよう。