如月夏樹、記憶を取り戻す
ランキングキラーに連れられ倉庫に移動してきた所で、張り付けにされ縛られてしまった。
ランキングキラーは仮面を外し正体を明かしてきた。
「手荒な真似をして申し訳なかったわね。あっ自己紹介がまだだったわね。
私は須藤朱莉。あなたと同じく異世界から来た人間よ」
「ずいぶんな歓迎のしかただな」
縛られてしまったが敵対心のない雰囲気と友好的な会話なため話を続ける。
「こうでもしないと話も出来そうないから⋯⋯どうやってお伽噺のルシファーを手懐けたのかしら?伝承に出てくる姿とは違うし小さくなって翼もないけど」
ルシファーのことも調べているみたいだな⋯⋯さあどうするかな。答えてやる義理もないしな。
「伝承の姿かどうかなんて俺も知らないな。現れたときにはああだったぞ」
小さくなったのは現れた時になったしな。
「まあ制御できてるかどうかなんてわからないわね。利用されてる可能性もあるし⋯⋯しょうがないわね。貴方の事少し覗かせてもらうわよ。『サイコメトリー』」
須藤朱莉は夏樹俺の頭上に手を翳すと光を発した。
「なんだと⁈」
ヤバい!これでは作戦が見破られてしまう⋯⋯
映像が頭の中を往き来するのを感じる⋯⋯
なんだ?思い出せなかったことが浮かんでくるぞ。
これは日本ってところの景色だ。ここで俺はサラリーマンとして、暮らしていたんだな。
日々の楽しみに友人とゲームしたり本を読んだりしてたな。
映像が切り替わりブレイブアスガルドの映像も出てくる⋯⋯リトライ?2週目だと⋯⋯?
しばらくするとまた情景が変わり今度は女神アルテミスが俺に封印をかけた⋯⋯。
『今はまだ解放できません。よって貴方の力は⋯⋯』
肝心な所は聞こえないな⋯⋯。
光をが収縮して暗くなっていく。
「きゃあ!!」パシン!
須藤朱莉が頭を触っていた手が弾かれたように仰け反った。
ん?何が起こったんだ?
ポカーンと須藤朱莉の方を見ているとため息をつかれた。
「ふぅ⋯⋯まさかサイコメトリーが効かないなんて本当になんなのかしら⋯⋯」
どうやら俺には『サイコメトリー』は効かないみたいだった。
しかし、おかげで記憶を取り戻すことができた。
ブレイブアスガルドとの情報と日本の情報でいろいろなことが出来そうだな。
女神に関しては謎だな⋯⋯
「おい!時間だぞ!調べはついたのか?」
ごつい体の男と細い男が中に入ってきた。
「残念ね。これから貴方を引き渡すわ。ただし取引によっては貴方を助けるわよ」
耳元で須藤朱莉はそういうと答えを求めるように見つめてくる。
「俺も大人しくしとくのもここまでだと思ってた所だ。後、魔法袋は細工しておいたから触らない方がいいぞ?」
「あら?縛られた状態でどうするのかしら?袋は預けていて、もう調べてる最中のはずよ」
それならもう時間の問題だな。目を瞑り事態に備える。
ビカッ!!ドーン!!大きな光と共に扉越しに轟音が響き渡る!
「眩しい!何が起こったの?」
「ぐわ~!!目が~!!」「ぐぅぅ~!!」
滅びの呪文を喰らった大佐のようなセリフをはく奴がいるな。
男たちは目をおさえながらひざまづいている。
とっさに目を防ぎ最悪は逃れた須藤朱莉だが耳は防げなかったみたいで動作が遅れている。
「ガーディアンアーマー『縄をほどいてくれ』」
ぶちぶちと縄をほどくガーディアンアーマー。
『見つけたのだ!』
俺の立っている前に魔法陣が展開されルシファーが瞬間移動テレポートしてくる。
「場所が少し離れていたけど閃光鉱石は役にたったのだ」
「今度はこっちからいかせてもらうぞ」
光が音と共に収まると同時に攻撃を仕掛ける。
「ルシファー、『聖魔法』を頼む。女の方に!男たちはあとでいい」
「任せるのだ!
光の網が須藤朱莉に降り注ぐ。瞬間的に察知してかわすが足に僅かにくらわすことができた。
須藤朱莉は暗器を使いこちらに攻撃をしてくるがガーディアンアーマーとルシファーは弾いている。
「ぐぅ⋯⋯これは不味いわね。しょうがない撤退するわ。『影潜伏』!」
「そうはさせませんよ?この時を待っていました。スキル
背後から1人の蛇の尾を持つ女性が現れた
『影潜伏』を使おうとして、発動を停止させられる。
「なっ⁈他にも仲間がいたの!? 」
発動しないのと、仲間がいたことに驚いている須藤朱莉
「遅いのだ!バティン!」
ルシファーがバティンという女性に声をかける。
「申し訳ございませんルシファー様。少々厄介な人間だったので隙を見つけるのに時間がかかりました。外の方はパイモン様とレオナという女性ともにドラゴンが制圧したようです」
外にはパイモン?とレオナとベリルも来てるのか。
須藤朱莉が両手をあげ白旗を上げた。
「はぁ~負けたわ降参よ。外にもまだ化け物がいるのね。貴方もヤバそうだけどこれだけのメンツを1人では無理だわ。スキルも封じる術があるみたいだしこれ以上は割に合わないわ」
「おいランキングキラー命令違反だぞ!」
ごつい体の男が起き上がり須藤朱莉に話かける。
「私は降りるわ。他をあたることね。まあ戦争でもする気じゃないと勝てない戦いだと思うけど」
「フロストファングを裏切るのか!?只じゃすまないぞ! 」
「ごちゃごちゃうるさいのだ」
「ルシファー様このようなものに目くじらをたてられても仕方ありませんよ。私めが黙らせましょう」
バティンは殺気を放ちごつい体の男を睨み付けた。
「ヒイィィィ!」
ごつい体の男は腰が抜けてガクガクしながらずりずり逃げようとしている。
静かにしていた細い男は外に向かって逃げ出した。
「ということで私も晴れて裏切り者ってことでこれからよろしく頼むわ」
こうして須藤朱莉がついてくることになった。
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