その実を食べろ！〜全ての望みを叶えるスキルの実。

第27話 帰還

新たな王国、セシル王国の建国に携わりはや1年、かなり復興が進んだやはり治安を良くしたのが良かった様だ。

果実を食べさせた職人達も今度は教える側になり、この国は良い職人の国になるよね。

そして私は最後に土魔法の果実を与えて

「この地図通りここから東に穴を掘りなさい、大きさと固定の仕方の見本を見せるから。」

と言いながら東側に聳え立つ山脈に向けて穴を掘らせる。

旅立ちの日私は王女に

「これから先は貴方とそれを支える家臣がこの国をよくします、貴方は同じ過ちを繰り返さぬ様しっかり目を光らせるのよ。」

と言うと馬車に乗り込んだ。

「はいセシル様の教えを忘れずに努力します。きっといい国だと言ってもらえる様にします。」

と力強く言う女王オレンジ。

ー　スーザン王国へ

それから3ヶ月かけて私達はスーザン王国へ帰還した。

私は旅での事を国王に報告すると共に、訪れたいくつかの古代都市や王国との国交を進言し、許しを得た。

そこで私は国交を開くために、それぞれの場所に向かう街道整備に力を注いだ。

この頃になると私の魔力はかなりの量になっていて、一日中魔法を使っても問題ないほどになっていた。

その頃から街道の整備の規模が飛躍的に伸びて、砂漠地帯に砂漠の民の協力を得て安全な野営地を構築した。

これで正体が安全にこの道を使うことができる。

そのとはあの山脈の攻略だ、私の考えではもう半分ほどセシル王国の職人がトンネルを掘っているはずだ、反対側の出口に当たる場所からトンネルを掘り進めさせる。

ー　3ヶ月後

「おーい、向こう側が見えたぞ！開通したんだ。」

作業員の声が嬉しそうに聞こえた。

「セシル様！やり遂げました！」

セシル王国の職人達からも嬉しい声が聞こえた。

長さ15kmに及ぶ大トンネル工事が無事完了したのだ。

私はその後1月で国交樹立のため特使団に混ざってセシル王国を訪れていた。

「スーザン王国国王陛下からの親書です。」

特使の要件は問題なく進み晴れてスーザン王国とセシル王国は、国交を結んだ。

馬車での距離は2週間と言う距離、これなら十分に商売として成り立つ。

工芸品や鉱物資源の豊富なセシル王国よ食料や魔道具の発達したスーザン王国との国交樹立は、商人達にも良い刺激になった様で、それ以外にも不定期であるが水の民や有翼族からのポーションや海産物の輸入も好調な様だ。

当然火の民の武器や装備は、冒険者にとっても夢の装備で武器屋の目玉や客寄せに展示されていることが多いがそれ以上に、スーザン王国のドワーフが再修業と言いながら火の国へ向かう姿は、考えるものがあった。

こうして私の2年になる旅もひと段落ついたが、ある夜枕元に女神が立ち

「ここまでよく頑張ってくれました。褒美に貴方の欲しいものを渡しておきます。それとこの世界は貴方の旅した5倍ほど有りますので、残りも頑張って下さいね。」

と言うと消えていた。

目を覚ました私はすぐに確認をした、当然ご褒美だ。

「確かに受け取りました。次も頑張ります。」

と胸元を見ながら私はこんはことばをくちにしていた。

第二部終了