スキル発動:最適化(リハビリ)
聖女見習いミミと一緒にキッコの街を目指している途中で中年のおっさんが熊のような怪物に襲われていた。
ミミの魔法で怪物を追い払い、おっさんの治療をするが、後遺症が残ってしまった。家族をこれから守れなくて無念そうにしているおっさんと治療に失敗したと思って悔しくて泣いているミミを前に無力さを感じている俺のスマホに突如通知が来た。
恐る恐る俺はスマホの液晶を見ると、こんな事が書かれていた。
『おめでとうございます!あなたはスキル:
一体どういう事だ?画面がスクロールできるようだし、続きを読んでみる事とした。
『
『スキル発動条件:対象者の後遺症部分に手を近づけ。リハビリと言葉を発する事でスキルが発動します。スキル発動後は魔力を消費しますので残り魔力と相談してご使用ください』
なるほど、どうやらこれ以上のページスクロールはないようだし、やってみるしかないようだ。
「ミミ、後は俺に任せろ、よく頑張ったな」
「ユーイチ様……何か方法があるんですか?」
「まあ、やってみないと分からないがな」
俺はおっさんに近づき、おっさんに声をかける。
「すいません立てないという事は足が動かないんですか?」
「当たり前だろ!俺をからかってんのか!」
「すいません、他に例えばまだ痛かったり動かせない箇所とかはありますか?」
「いや、動かせねえのは右足だけだ。だがどっちにしてももう俺は……」
もはや自分や家族の人生に絶望しているおっさんだが、もうやるしかない。
「俺がそのあなたの足を元に戻してみせます」
「そんな事できるのか?」
おっさんにそう問われるが正直半信半疑だ。だが俺は理学療法士だ、怪我の後遺症が残った人を日常に戻すのが俺の仕事なんだ。
この世界にはまともな設備も器具もなさそうだが、俺が得たかもしれないこのスキルに賭ける!
俺はおっさんの右足に手をかざしスキル名を発する。
「
この瞬間ミミの時と同じように俺の手からも光が放たれる!
その光自体はすぐに消える、するとおっさんに変化が……。
「ん?何だ足が動く、ははは!やったぞ!俺の足が動いた―――!」
「すごい、すごいですよユーイチ様、一体あれは何なんですか⁉」
ミミとおっさんがとても大喜びをしているのを聞いて俺は思った。この世界でもこのスキルを活かして理学療法士に似た事ができればと、やっぱり誰かが日常に戻れるというのは嬉しいな。
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