双奏1奏
浅貴るお
第1話
「おぎゃあ。おぎゃあ。おぎゃあ」
あたしたちは、ほぼ同時に生を受けた。
あたしは奏。双子の兄は双と名付けられた。
父は指揮者。母はピアニストの音楽家一家だった。
物心ついときから、ピアノの英才教育は始まった。そのおかげで、あたしたちの才能はぐんぐん開花していった。
小学生では、コンクールの賞を総なめするくらいには。
中学生では、もうむかうところ敵なしといったところだった。
中学3年の夏休み、2人でプロミュージシャンにならないかという話が来た。
あたしは2つ返事で了承した。
双は渋ったようだったが、私のやる気で押し通した。
双奏1奏 浅貴るお @ruo
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