裸まで

うっかり

裸まで

今朝の夏壁まで濡らし顔洗う

薔薇と歯ブラシ合せ鏡の中に立つ

毎朝の道に始まる五月旅

川あればどこかに橋や夏の月

蝸牛案内板の現在地

噴水を股間に当てる遊びかな

蟻の影見たし何にも意味はなし

側溝の影に留まる鯰かな

空蝉の背中から雨溢れそう

日焼せし旅人に傘もらいけり

雨やんで鳩がたくさんいる暑さ

夏負けてカレーうどんを日に二度も

冷し中華始めてくれるよう頼む

人が皮を剥いたバナナはなんか嫌

夕虹をくぐる人々旅の果

蚊柱や犬の像にて待ち合わす

左手のスピン涼しき文庫本

線香花火の動画流したままシャワー

下着かもしれぬが水着かもしれぬ

裸まであとは眼鏡を外すのみ

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裸まで うっかり @ukkari575

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