隣の席の美少女を事故から庇ったら同棲することになった
桜木紡
第1話
俺の名前は神楽奏介。部活帰りでくたくたになった身体を早く家で休ませたいがためだけに今日は友達(そもそもいないが)と一緒に帰らず1人で帰り道を歩いていた。
「いやぁ学園というものは疲れるね。しかも俺が通ってる学園は毎日6時間授業……嫌なるよ本当」
奏介が通っているのは桜樹学園。ここら辺じゃそこそこ名の知れた学園だ。
ここの学園のいい所は校則が緩いことだ。授業中以外だったらお菓子を食べてもいいしスマホを触っていてもいいのだ。
奏介はそこがいいと思いこの学園を受験して合格したのだが……授業がきつかった。
「まぁここを選んだのは自分だからな〜文句を言ってられないか」
そんな独り言を呟きながら帰り道を歩いていると、横断歩道側の信号が青なのにも関わらずスピードを遅めない暴走者が視界に入った、しかも1人の女の子が横断歩道を渡ってるじゃないか。
視界に入った時にはもうカバンを投げ捨てて行動に移っていた。
「君! 危ない」
警告するように大声でそう言って轢かれかけていた目の前の見慣れた女の子の背中を押した。
「きゃっ!」
女の子は前のめりに倒れてこちらに振り向いた。
そして俺はその車に撥ねられ、身体が宙に舞いそして地面に叩きつけられた。
「君……大丈夫」
「あなたの方が重症ですよ! 救急車を呼ぶのでもう少し頑張ってくださいね!」
俺が最後に見たのはそう言って心配そうに電話をしている見慣れた女の子の姿だった。
だんだんと視界が暗くなっていきとうとう俺の意識は暗闇に堕ちた。
※※※
次に俺が目を覚ましたのは病院のベット上で、その横に俺が助けた女の子が座っていた。
「目が覚めたんですね、良かった〜!」
目を覚ましたのはいいものの、まだ視界はぼやけているし意識もはっきりとしない。
「君は……?」
「えぇ〜見覚えないですか? あなたの隣の席の
夕凪真夏と言われて俺は意識がはっきりとした。この人は……学園1の美少女と言われていて成績も優秀。100年に1度天才のと噂されている人だ。俺とは色々と生きてる世界が違う。
見かけることはたくさんあった……というか隣の席なのだが、話したことなんて1回もなかった。
「じゃあ……ええと真夏さん、もう俺とは関わらなくていいからそれじゃあさよなら……。俺なんかと関わると真夏さんの学園生活に影響が出るから」
「なんでそんなこと言うんですか、神楽さんは私の命の恩人ですよ! それに私を庇ってこんなことになってしまったですから私たちがお世話します!」
「たち?」
1人じゃないということか? と俺が考えていると病室のドアがノックされたので「どうぞ」と言うと真夏さんと似てる……いや全く同じ見た目の人が中に入ってきた。
「真夏を助けてくれてありがとうございます、私は真夏の姉の夕凪真冬です」
「ん?」
俺はこの女の子も知っていた。真夏と双子で姉になる。学園でも真夏と同じように学園1の美少女と言われている。
それ故に告白する男子らが多くいるのだが真夏と真冬は本当に似ているので間違えて告白することもあったらしくその男子らは撃沈していた。
俺としてはなんで1位が二人いて、そもそもとして順位なんかつけるんだよとしか思っていない。
「ええっとどっちがどっちか分からなくなってきたんだけど……」
「髪がちょっと青くなってる……どっちかと言うと紺色になってるのがお姉ちゃんで髪がちょっと赤くなってるのがのが私、真夏です。覚えておいてくださいね!」
「これからしばらく私たちがお見舞いに来るから、ついでに宿題とか出たら持ってくるし出来たら私たちのどっちかに渡してくれれば提出しておくから」
(えっと……どういう状態これ?)
そして学園の美少女双子との関わりが始まった。
俺が学園に行けない間になんか変な噂がたちそうだが、俺がやった事は悪いことじゃないし、人間として正しいことをしたと思っている。変な噂がたっても夕凪姉妹が何とかしてくれることに賭けてみることにした。
(学園に戻った時に男子から色々言われるんだろうな……)
「それじゃあまた明日会おうね、神楽さん」
そう言って夕凪姉妹は病室を後にした。
「学園生活がより大変になりそうだ……なりよりしばらく部活できなさそうだな」
俺はそんなことを呟き、小さくため息を
そして痛みを伴う身体を起こして担当医師が持ってきてくれたはいいものの、夕凪姉妹との話で放ったらかしにされていて冷めてしまった夕食を食べて今日は眠りについた。
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