第22話 迷いの森深奥部!~行きはYOYO!帰りはSay what
「いや~、楽勝だったな!繁盛繁盛!」
あとの2人も笑いを堪え切れない。
実はこの3人組、ツンフトと裏で繋がっている『初心者ハンター』である。
右も左もわからない冒険者の金品をツンフトに預けさせ、迷いの森に誘導し、置き去りにし、森の主の生贄にするのを生業としている極悪非道な者どもなのである。
また、迷牛頭は観光ガイドもしており、これもやはり旅人の貴重品を頂戴するために同じ手法を用いている。
実は、森の主はアラクネという蜘蛛の化け物で、かつては村人に生贄を捧げさせていたのだが、このシステムを逆手に取り、金品の横取りと人間の処理を効率的に行っているのだからなんとも空恐ろしいことである。
そう、アストラとチャラガはハメられたのである。
* * *
僕とチャラガは言霊ラップの訓練をしながら、迷牛頭を探しつつ森を突き進んでいた。
「おっかしいな~。どこ行ったんだろう」
「ぜーーーーーったいハメられたのよ!うぐぐ!」
「そんなことないって。いい人たちだったんだから」
そんなことを言いながら歩を進めてきたが、どうにも彼らが見つからない。
すると、森の奥に見るからに弱り切った女性がうずくまっている。
「あれ?!こんな森に女の人がいるよ」
するとチャラガが言った。
「やばいよ!幽霊じゃないの?!引き返そう」
遠くの方の女性は言った。
「タ…タスケテ」
そして、森の奥に吸い込まれていった。
僕はチャラガに促した。
「助けよう!」
「ええ~?!行くの~?!やな予感する!」
僕とチャラガは女性が消えていった森の奥へと急いだ。
「何かに引きずられていたように見えた!」
そして、森の深奥部、そこには先ほどの弱々しく美しい女性………
………の顔をした蜘蛛の化け物が鎮座していた。
これが迷いの森の主、アラクネである。
『あらァ、活きのいい生贄が2匹も追加だなんて嬉しいわァ~!!』
「キメぇ~~~~!!!チャラガは平気なの?」
「うーん顔が蜘蛛じゃないから平気かな」
「どういう基準??!!」
「さっさとアイツ倒してツンフトに戻ろう!よっしゃ~!ガルバンゾ☆」
* * *
………………というわけで、知っての通り、阿吽の呼吸でアラクネを討伐した僕とチャラガだったが、戦闘中に発動した言霊で、アリアドネの糸がズタズタになってしまった。
さて…どうツンフトに帰るか…。
5人で出発し、
途中ではぐれて2人になり、
そして今、生贄候補だった人たちと合流し12人となった。
スフィンクスもビックリだ。
ああ、これはこっちの世界でのジョークによく使うフレーズね。
大所帯だが戦闘できるのは僕とチャラガだけ。
果たして無事に帰還できるか…!?
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