第12話 空から残飯~伝説の紋章とその発現
召喚したゴーレムで王様の暗殺を試み、国家転覆を狙った極悪非道の少年。
はぁぁ?!
いつの間にか僕は超ヤバい指名手配犯に仕立て上げられていたのだ。
「どうして」
僕から覚えず哀しみの声が漏れた。
しかし、悲しんでいるのも束の間だった。
空から、いくつかの塊が降ってきた。
ガコン、ガコンと音がした方に目をやる。
「なんだぁ?」
僕とチョスリが落ちてきた物体に近寄ってみると、鉄の塊だ。
ん………?いや…鎧………?
肩当ての部分のようだ。
翼竜の
さっきの騎兵たちの鎧と同じ…
ガコン、ガコンと、また少し先に塊が。
これは…兜だ…?
2人で目を凝らしてみると………
「「うわああああああああああ!!!!!」」
首だ。
そして、地面に巨大な影が映った。
僕とチョスリはおそるおそる上空を見上げた。
チョスリが大声を上げた。
「ば、馬車に戻れ~!!!」
踊り子一行は即座に馬車に駆け込んだ。
チョスリと、もうひとり背の高い踊り子の一人が、馬の手綱を握った。
再び叫ぶチョスリ。
「全速力だーーーーーっ!!!出せーーーーーーッ!!!ワイヴァーンだァァァ!!!」
上空に3メートルはあろうかという巨大な翼竜が舞っていたのだ。
とはいってもここは広野。馬車ごときがこいつから逃げ切れるハズもない。
『キシャァアアァァアアァァアアァ!!!』
騎兵はこのワイヴァーンとかいう翼竜に食い荒らされたのだった。
…いや、めっちゃ怖ェ!!!
ぶっちゃけ生まれて初めて見たゴーレムも怖かったけど、より生々しくて気持ち悪くて怖ェ!!!
でも、僕の言霊を使えば、こいつを倒せるかもしれない。
だってどの道このままじゃ追い付かれて全員アイツの胃の中だ!
そう思った時、僕の後方が光った。
「な…なんだ!?」
振り向くと、光が僕の後ろに移動した。
踊り子の一人が叫んだ。
「まぶしッ」
違う、光ってるのは僕だ。
僕のお尻だ…???!
「ま、まさか…!」
馬車に同乗していたソフォンが
えっ、いやっ、引きずり降ろそうとする…じゃあないんだよ!
どういうこと?!
「ソフォンさん、こんなところでダメです!」
ソフォンの顔つきが神妙になった。
「やはり…この子は伝説の…菊紋の持ち主、選ばれし者…!」
なんだ…?!菊紋って…??
選ばれし者…?
えっ…こういうのって手の甲とかに発現するんじゃないの…??
そして、その時である。
チャラガのお尻も光を放ったのだった。
「あ、アタシにも菊紋が…!」
残念な想いを胸にしまい、僕は
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます